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みくサイド~気付いた気持ち~

 

 先程から下着の状態で顎に手を添え、悩みに悩んでいる。そう、明日のWデートに着て行く服を。


 部屋に置いてある大きめのクローゼットには、お気に入りの洋服達が収納されているのだけれども、先程から手に取っては体に当て、ベッドに放り投げるといった一連の作業を延々と繰り返していた。


 おかげでクローゼットは空になり、ベッドには山となった洋服の塊が出来上がった。


 そう、全ての洋服の閲覧を終えたにも関わらず、なんと気に入った服が見つからない状況となっている。


 流石にドレスなんかを着て行く訳にはいかないし、暑いからといってあまり肌が露出させるのは軽い女と感じ取られてしまう可能性もあるので却下。


 シンプルにTシャツなんかでもいいのだけども、あれはあれで胸が強調されてしまうし、結構苦しいのが難点。


 ここはやはり無難にシャツとスカートを合わせるべきなのかもしれないけど、このスタイルは自分の中で安パイライン過ぎてどうも気が乗らない。


 特別な日なのにスタンダードはちょっと……。


「うぅ……着ていく服が決まらない……」


 考えれば考えるほど沼に嵌って行く……。普段なら直感で様になる組み合わせを選べるんだけど。なぜか今日ばかりはその勘が全くといってもいいほど働かない。


 その原因は分かってる……後輩君だ。


 最初は、美味しい料理を作る子だとしか思っていなかった筈なんだけどなぁ……。中身はおじ様な特別な子だけど。


 後輩君が作るお料理はとにかく心が込もって温かい。


 出来上がった料理は、どんな超一流シェフの料理も敵わない。ずっと不思議に思っていた。

 でもその謎が最近やっと解けた。あやかさんの登場によって。


 後輩君があやかさんと仲良くしてる姿や、勉強を教えてもらっている姿を想像すると心が嫌な感じになる。これはもう認めざるを得ない。


 私、三条みくは……後輩君を好きになってしまっている。ううん、初めて会ったあの日から気付かなかっただけで既に恋に落ちてたんだと思う。


 その証拠があの料理の味。誰よりも特別な人が私だけに作ってくれる料理だからこそ、私の中で超一流シェフをさしおいて世界で一番美味しいと感じるんだと思う。


「でも相手が超が付くほど鈍感男子だからなぁ……。精神年齢はおじさんなのに」


 後輩君のあのいろいろと残念な性格を思い出すや、思わず項垂れてしまった。その拍子にふと自分の下着姿が目に入った。


 自分で言うのもなんだけども、スタイルはかなりいいと思う。そんな女の子と結構な回数を二人きりでサークル活動してるのに、微塵も反応を示さない。


 下心が無いという点は評価出来るけども、まだ自分は大人だという感覚が残ってるのか、未成年である私達女子学生達に手を出してこない。

 まあ、ヒョイヒョイ出されたらそれはそれで幻滅して好きになってないけど。だから……。


「次のWデートではきっちり分からせてやるんだから!」


 決意を込めて拳を握りめた途端、部屋の扉が開いた。


「……お嬢様? なにすっぽんぽんで熱くなっていらっしゃるのですか?」


「下着は付けてるでしょ! すっぽんぽんじゃない!」


 そういえば先程、クローゼットの洋服を全部出してしまったので、メイドのみさきちゃんに倉庫にしまってある予備の服を持って来てとお願いしたんだったわ……。恥ずかしいところを見られちゃった……。


 どうも後輩君の事になると我を忘れてしまうみたい。気を付けないと。


「それにしても随分と入念なおめかしをしていくのですね。もしかして原因は……例のこれっすか? やっぱなんだかんだ言いながらその高校生君の事が好……ちょ、ちょいちょい!? 今、お着換え中ですよね!? どうして下着一丁で腰に手を当ててお電話をなさろうとしてるのですか!? しかもすでにコール中!? すみませんっ! すみませんってばぁぁぁ!! 調子に乗りました!! ほんっとすみませんっ!!」


 嫌らしい顔つきで口に手を当てつつ親指を立てて煽られたので、即座にお父様に連絡した。謝罪があと数秒遅かったら何らかの悲劇は起きていたかと思う。


 でも、みさきちゃんには早い段階で見破られていたみたい……。


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― 新着の感想 ―
[一言] デケェの持ち主たるみくさんが本気を出したら、 その目から逃げられるおっぱい星人なんてそうそう居ねーだろうな… それでも自分はあやかさんにオギャって癒やされたいんだ…
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