あやかサイド~衝撃の事実~
あやかサイド
「んっしょ……これでよしと」
先程玄関の前でバタバタとしていたら、拍子に張りつけてあるお札が落ちてきたので、セロテープで張り直しておいた。
ちなみにまだ心臓の鼓動が激しく脈打っている。まさか修君に正面から抱き着かれるとは思わなかった。顔も近かったし、胸も押し潰されるほどに激しく抱きしめられた。
でも向こうからだからこれは私は悪くないよね? これで罪に問われたらただただ冤罪だよ……。
「……ワンチャン、なんてないよね」
ふと時計を見ると十一時三十分を指していた。今頃は三条さんのところで愛の告白を行っているところだと思う。それこそさっきの熱い抱擁だけではなく、キスでもしている頃に違いない。
でも最後の最後で気持ちに気付いてもらえたし、お巡りさん案件になりそうなハグもあった。初恋の収穫としては上々だったと思う。
「失恋って辛いけど、恋愛って楽しいものだったなぁ……」
すでにこの恋愛の決着は分かってる。それでも未練たらしく残された僅かな時間を感じながら、秒針とにらめっこしていた。
時間の流れは意外に早かった。長針の針は進み、残りの時間は十五分、五分と進み、遂には短針と重なり0時を指した。
今の時点で私の隣に修君はいない。もろくも恋が破れ去った瞬間だった。
もう涙は出なかった。分かっていた結果だから。
疲れた体を癒すべく、そのままお風呂に入った。湯船の中でいろいろな思い出が交差したけども、笑っていられた。恋の数だけ女の子は強くなれるって本当だったんだ。
楽しい思い出をありがとうね、修君……。
のぼせない内にお風呂から上がり、時計を見ると日付が変わって三十分ばかり経っていた。今日はもうゆっくりと休もうとお布団の方に向った時だった。
インターホンが鳴った。
心臓が飛び跳ねて急いでモニターを覗くと、そこに立っていたのは三条さんだった。
結果報告をしに来た……。にしては浮かない顔をしているように見える。私に気を使ってくれているのなかな? 付き合ったご報告に来てくれたんだよね?
再び玄関のインターホンが鳴ったので、急いで玄関に向かい扉に手を掛けた。
そこには三条さんとおさ……あれ? お一人?
「……ご、ごめんなさい! さ、最中でした!? も、もしくはこれから……」
「待って、三条さん。なにか勘違いしてる?」
玄関のドアを開けると、お風呂上がりの私を見て、顔を真っ赤にして口を押えた。とりあえず何か大きな勘違いをしている女子高生には部屋に入ってもらった。
この時間に不謹慎な内容を大声で話さないで欲しい。
「でもシャワーを浴びてるって事は……あれ? 後輩君、来てない……のですか?」
「え? ちょっと待って? 修君は三条さんの所に居てるんじゃ……」
しばし無言の時が流れた。も、もしかして……
「「どっちにも行ってない!!?」」
クリスマスイブが終わり、クリスマスへと日付が変わったその夜。私は三条さんとの声を合わせて叫んだ。
どうなってるのよぉ、修君……。
時間になってもどちらの前にも姿を現れなかった修の意思は……。
次回、最終話となります!




