みくサイド~内心~
みくサイド
後輩君を強引に玄関に送り出し、車に乗って出発したのを見届け、家に戻った。すると、みさきちゃんが少し困ったような表情をしながらこちらにやってきた。
「失礼ながら一部始終、聞かせていただきました。もったいないことをしましたね……。あのまま行けば完全に押し切れてましたよ?」
なにやらしっかり聞き耳立てていたみたい。でもきっと私の事を心配してくれての事だと思う。
「……いいの。私は正々堂々と勝負したいのよ」
私はさっき告白をした。あのにぶちんの後輩君でも分かるように、面と向かって『好き』と伝えた。『付き合って欲しい』とも伝えた。
おかげで今回ばかりは私の心が届いたみたいで、随分と動揺していた。ここまで来るの、ほんとに長かったわ……。
それにしても人生で一番緊張した瞬間だった。今もまだ声が震えているのが自分でも分かる。
「青いですねぇ……。若さで溢れ返ってますよ。でもそういうの嫌いじゃないですよ? でも今だけは……」
みさきちゃんがその豊満な胸に私の顔を埋めさせた。
「不安で胸がいっぱいになってるっしょ? 今だけは泣いていいっすよ?」
その言葉に堰が決壊し、私はみさきちゃんを強く抱き締めて嗚咽を漏らした。
正直、怖くてたまらなかった。今流れている時間に息が詰まりそう。これ程までに不安と悲しみを抱え込んだ事は無い。
あやかさんに……あやかさんに後輩君が取られてしまう。そんな事ばかり考えてしまう。
半ば諦めている自分が居るのが悔しい。こんなに自分に自信が持てない事なんて初めて……。
「しかし、かの三条財閥のご令嬢にあそこまで言わせるなんて。私なんて立場が逆だったら、迷うことなく二つ返事でOKしてるっすよ?」
「修はそんな俗物じゃないの……。お金や名誉、地位なんて二の次なのよ……」
「おろぉ? 修ぅ? もう呼び方変わってますけど? でも良かったす♪ なんだかんだ言ってまだ諦めてはないようで」
「っつ!? もぉ! 茶化さないで!」
「むひゃああ!? ちょ、ちょっとお嬢様!? そんなに激しく胸を揉まないでくれます!? これ以上大きくなったらどう責任取ってくれ……あっ」
フリーズしたみさきちゃんの目線を追うと、大きな花束とラッピングされた箱を持つお父様が『見てはいけないもの見てしまった』ような表情で立っていた。
「あ、うん、メリークリスマス……。パパ、どこぞかの馬の骨にみくを取られるのは断固反対だが、だからといって同性愛に走られるのもちょっと考えもので……。そうか、うちのメイドさんの胸はみくが育てておったのか……」
「「それは誤解っ!!」」
その後、必死に弁解した。
久々のあとがきです!
いつも応援ありがとうございます!
盛り上ってきましたが、お察しの通りクライマックスとなっております。
最終話に向け、毎日投稿を掲げた執筆もラストスパート中です。
今後の行く末、お楽しみくださいませ!




