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あなたのお助けキャラは断固拒否します!  作者: 朝比奈 呈
本編
19/84

19話・狙われた殿下



「きゃあああああっ」



 それから数日後の下校時。

 マリーザは、ジオヴァナに成りすましたシルヴィオと、教室を出たところで悲鳴を聞いた。聞き覚えのある声にお互い、顔を見合わせる。正直、またかと思いながら声がした昇降口へと向かえば、人だかりが出来ていた。



「どうしたの? 何があったの?」


「サロモネ男爵令嬢が足を踏み外したところに、殿下が居合わせて……」


「えっ? 殿下が……!」



 近くにいた女生徒に詳細を聞くと、ジオヴァナが前に進み出た。殿下の許婚が彼女だと知る皆が道を空ける。マリーザも後に続いた。



「大丈夫ですか?」


「ああ……」



 心配するジオヴァナに苦笑を浮かべる殿下。サンドリーノ殿下にメローネがしがみ付いていた。そこへマックスが駆けつけた。



「メローネ、大丈夫か?」


「マックス。大丈夫。サンドリーノさまが助けてくれたから」


「メローネ。殿下から離れなさい」



 なかなか殿下から離れそうにない彼女を見かねてマリーザが言えば、彼女は顔を顰めた。



「痛い~。足を捻ったみたい~」


 わざとらしい態度だ。どうしたものかと思えば、殿下が動いた。殿下はマックスを見た。



「きみ、マックスくんとかいったかな?」


「は、はい。殿下」


「悪いんだが、彼女を保健室まで運んで行ってくれないかな? どうも彼女を庇った際に腰を打ったみたいでね」


「分かりました。さっ、メローネ。殿下から離れて。殿下もお怪我をされている」



 自分では彼女を運べないと言う殿下に、メローネは渋面を作った。彼女の計画では殿下に保健室に運んでもらう予定だったのだろう。マリーザは呆れるしかなかった。

マックスは殿下の言葉に、慌てて彼女を引き剥がした。



「さ、僕が保健室まで連れて行くから安心して」


「……ありがとう。マックス」



 親切なマックスに対し、メローネは舌打ちする。その場をそそくさと去って行った二人を見て、周囲を取り囲んでいた人々も離れていった。



「お礼もなしか……」



 ジオヴァナから男性の声が漏れた。シルヴィオの心情らしい。マリーザも同感だ。殿下を下敷きにしておいて「ありがとう」の一言もなく、抱き上げてくれたマックスだけに礼を言うなんて、メローネはどうかしている。

 殿下はよろよろと立ち上がった。思わずマリーザは声をかけた。



「大丈夫ですか? 殿下」


「心配ない。腰も打ってないよ。あれはわざと私を見て階段を踏み外してきた」


「殿下を狙ったってことですか?」



 何と罰当たりな。と、マリーザが思うと、殿下が言った。



「ここでは何だから、生徒会会長室で話をしよう」



 この場では誰の目があるか分からないから、場を変えようと言いだした殿下に、マリーザとジオヴァナは速やかに従った。


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