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プロローグ
「蕾」第二部です。
大変申し訳ないのですが「蕾」を読んでからの方が分かりやすいと思われます。
初めましての方も引き続きこんにちわの方もお楽しみ頂けますように。
「待ちなさいよ!!!」
はぁはぁと肩で息をして、でも思いっきり叫んだ。
そうでもしないと男が馬を駆けてしまいそうだったからだ。
そして、馬が走り出してしまえば、あっという間に視界からいなくなってしまう駿馬だと、身をもって知っていたから。
いまこの時、声を上げなければ、
もう、会う事は出来ない。
ゆっくりと馬首を返した男は、相変わらず無表情だった。
そして、相変わらず、気は見えない。
それが口惜しくて、唇を噛んだ。
拠り所が使えない相手と対峙するには、
正面からぶつかっていくしかない。
まだ自分の気持ちに整理がついた訳じゃない。
でも、
来てしまった。
ここに。
この場所に。
テンション高めなのは主人公の違いですかね。
おいおい青蘭&煌明(もちろん女官長様も)登場しますのでお楽しみに。
「僕は??」
……登場しないわけないでしょ、朴念仁……