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まな板にのってやるよ。

掲載日:2015/01/12

 短編第4作目です。

 誰にでも起こりそう? いや、やっぱりない方がいい。

色々ありすぎ……だよな。


 そう思ったのは、明日の会議の資料を揃えている時だった。

 資料といっても苦情センターに寄せられた「お客様の声」ってやつだ。


 そう、会議とはこの「声」に答えるための愚痴の(こぼ)しあいだ。

 愚痴は、言いすぎかも知れない。

 でも、これが一番しっくりくる……納得。


 そうか、さっきから資料作りがはかどらないと思ったら、そうなんだ。

 理不尽な苦情ばかりが最近増えたんだよ。それで、なんか気が乗らないんだ。



「だから、俺たちにどうしろっていうんだよ!」と、いう内容が増えてきている。



 それに対しての具体策を明日話し合うんだ。

 ……話ね。

 話し合いになるのだろうか、ここ何回かの会議で、明るい兆しがあまりない。


 明るいどころか暗くなっていくんだよな、最後は。


 さて、一応揃えておくか。これが仕事だし、作業自体に手は掛らない。さっさと済ませるのが一番。



 でも、待てよ。明日、だよな。

 確か社長が来るとかなんとか言ってた……冗談じゃねえよ、苦情処理に社長直々かよ。


 いや、考えようによっては、チャンスかも。


 ここでうまく処理できりゃ、いい方向に(出世の可能性も?) 

 待てよ、その反対もあるわけか。


 これ以上こじれたら、出世どころの話じゃなくなる?

 どうする? そんなの考えるまでもない。



 こうなったらやるしかないだろ!


 と、始めたものの。これがすんなりと事は運ばない。

 だからこそのやりがい。なんて上っ面もどきは持ち合わせてはいない。


 考えるのは、この追い込まれた状況でいかに立ち振る舞うかだ。他はいい。



 そもそも苦情なるものが生まれた原因を追求しての改善策だろ、必要なのは。

 なら答えは簡単だ、その原因に一番近い部署の人間に作らせるのが最善策だろ。



 って分かってるのに、そこから上がってきた改善策が、これなんだよ?


 「いい加減にしろ!」しか思いつく言葉がない。

 おいおい、これのどこが改善策?

 やる気など欠片も見つけられない、あったとしてもそれこそ探して探してやっと見つけられるんだろう。


 そんなあってもなきが如しの改善策など、こっちでいいように書き換えてやるよ。

 ってことで、やっと絞り出したのが、これだ。



 改善策なんて言えるかどうか、さっきのよりは少しはいい程度。

 ないよりましだ。



 明日、これの結果が出る。

 いいか悪いかなんて、誰がどう判断するかで大きく別れる。

 でも、これ以上は無理だ。

 もう、まな板に乗ってやる。

 どうでも料理してくれ。そんな結果でも甘んじて受けるよ。



 今までが順調だった。

 負けず嫌いが功を奏していい評価を得てきたのは、非常に嬉しかったのだ。


 ここで躓いたとしても、評価を著しくは下げたりしないだろうし。

 これはこれでいいか。



 開き直ると、案外気は楽になるもんだ。

 明日……か。



「なんでも来い。引き受けてやるよ!」


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