第一騒動 坂本家党首、ソウジロウ
場所と世界は変わってここ、本日は晴天なりな東京にあるとある街中でも、また一つ騒動が起きようとしていた。てゆーかまた別の一大事が起きることは確かである。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・遅ぇ。」
一人の髪がツンツンした茶髪の少年が、腕時計を見ながら右足をトントンと鳴らしながら呻いた。黒いジャケットに白いTシャツ、そしてちょっと小汚いGパンと腰のベルトに括り付けた黒いポーチと、なかなかのルックスであるこの少年が今いるのはこじんまりした空き地である。本当に何もなく、ただ雑草がボウボウと伸びているだけの場所。今回、ここで待ち合わせをしているのだが、見ての通り、真っ先に到着しており、今に至る。
「・・・遅い・・・遅すぎる・・・。」
てゆーかこのセリフもう105回目・・・。
「ソウジロウーーーーーーーーーーー!!」
向こうから大声を上げつつ、黒髪を靡かせながら走ってくる少女が見えた。やがて少年の近くまで来て足を止めた。服装は赤いロングスカートに白い半袖のTシャツで、全体的に涼やかな印象を与える。
「お待たせ〜ぐぇぶ!!」
いきなり少年のボディブローを腹にモロに受けてそのまま吹っ飛んでブロック塀にドン。
「いった〜!何すんのよソウジロウ!!」
3分後、少女は苦しそうに腹と背中を押さえながら立ち上がった。てゆーかよく生きてるなオイ。塀に皹入ってるじゃねーか。
「うるせぇぞサキ。大分遅刻して何ぬかすテメェ。」
ソウジロウと呼ばれた少年は悪びれもせずに言った。端整な顔立ちの少女、サキも負けじと反撃に出る。
「た、たかだか五分ちょっとでしょうが!そんくらい待ちなさいよ!!」
「あぁ?五分だぁ?」
「な、何よ?本当のことでしょ・・・!」
ギロリ
「すいませんでした(;_ _)>ビシ」
サキは思わず縮こまって敬礼した。昔から全く勝てた試しがないのは歯痒いが、まともに殺り合っても絶対に勝てない。過去、ソウジロウは素手で近辺を騒がせていた暴力団を壊滅させてしまうという、偉業ともいえることを成し遂げたのだ(動機は近所迷惑だから)。そんな奴と武道暦6年であるはずのサキが勝てるハズもなく。
「で?他二名(半殺しの刑候補)はどうしたよ?」
「(私には()の内容が読めたよ)もう少しで来るよ。二人とも慌ててたけど(汗)。」
「そうか・・・一番遅かった奴はどうしよっかなぁ♪」
ゾクリ(;一△一)・・・!!
サキは思わず身震いした。その♪付きの言葉(殺気込み)の意味を深く理解している者としては当然の事であり、無意識のうちに体がビクリと反応するのは昔から直らない。
(まぁ、慣れろというのが無理な話よね。)
サキは納得した。ソウジロウの悠長な構え方と、のらりくらりとした印象を与える喋り方といつも眠そうな半開きの目でどれだけの人達が彼に対して怒鳴ったことか。サキもその喋り方と雰囲気には少なからず憤慨していたが、度が過ぎるとのんびりした態度から一変、急に目つきが鋭くなり、ドスの効いた声で語りだす様は、まさしく不意打ちを食らったかのような感じに見舞われる。それが女性であってもだ。わかっているつもりでも、いつ態度が変わるかわからないから、ある意味ではホラー映画級な恐さがある。その中で一番恐ろしい事件が中学生の時に起こった。あるいじめっ子達が、ソウジロウには言ってはいけない禁句を言ってしまい、全治三ヶ月の大怪我を負ったという。おかげで停学処分に処せられたが、本人はサボるのが大好きであり、逆に好都合と取っていた。ソウジロウが停学中は遊びまくっていたのをサキは思い出し、思わず吹き出しそうになったが、今の状況で笑うとまず間違いなく死ぬので我慢した。
「お〜い、サキ〜ソウジロウ〜!!」
突然、サキが先程来た道から慌てた様子で駆けてくるボサボサの黒髪(白髪混じり)の少年が走ってきた。青いカッターシャツの上に、医者が羽織るような白衣を着ていて、下は学生服のような黒いズボンを履いている。因みにメガネを掛けている。
「いや〜ごめんごぶぉば!!」
ソウジロウの上段回し蹴りをモロに食らってキリモミ回転しつつぶっ飛ぶんでアスファルトにグシャ。
「な、何をするんだソウジぼぇば!!」
少年は4分後に起き上がったが拳骨くらって再びアスファルトにゴン。そしてさらに2分経過した。普通に死ぬよな、常人なら。
「い・・・痛い。」
「遺体?遺体になりたいと?オッケーそこに直れすぐに望み叶えて進ぜよう。」
「「漢字が違うっしょーーーーーー!!」」
必死の形相でサキと少年がハモった。拳バキバキ鳴らしながらニヤついているソウジロウの殺気に幾らか(てゆーかかなり)怯えていた為である。彼ならやりかねない。
「(ちっ)で?何で遅れたよトオルさんよぉ?あとマサシはどうした?(怒)」
「(今『ちっ』って舌打ちしたーーー!!)え、えええええと、い、色々とだなぁ整理してたら遅くなっちまってさぁ〜あとマサシも準備に手こずっててさぁ〜いや、置いてくのも天才としてどうかと思ってついでに可哀想だと思って待ってたんだけどね!ははははははは(;>▽<)ノ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・
「ご・・・ごめんなさいぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
もう見た感じ完璧土下座。少年改めトオルは必死の形相で謝罪した。頭何度も地面に打ち付けて血が出た。痛そう。謝り対象はもちろん、殺気むんむん、瞳が妖しくギラついているソウジロウ♪傍でサキも怯えてるよ♪でもまぁ、ソウジロウも必死で謝っている人に対しては冷酷ではないようなので、殺気を収めて瞳も元の半開きに戻し、ため息をつく。
「まったく、それが一家の年長者の態度か。」
そお、何を隠そう(隠してない)、見た目少年+童顔なトオルは実は18なのだ(ソウジロウは17、サキは16)。一つ差だけじゃんと思う人、そこは黙っててね♪それでも年上だから。ところがどっこい、この兄ちゃん年下であるソウジロウに丸め込まれているのが日常茶飯事。てゆーか彼と口論して勝った人は一人もいない。
「うぉっほっほーーーーーーい!!!!!!」
突然、土煙を上げる程の猛スピードでこっちに駆け寄ってくる少年がいた。トオルよりかは整った黒髪でタンクトップに紺色ジャージのズボンと、実に軽快そうな服装だ。
「おまたごぇぼあ!!!」
決して『股』という漢字のことを言いたかったわけではなく、「お待たせ〜!!」と言いたかったのだろうが、ソウジロウのジャンプ回転胴回し蹴り(俗に言うローリングソバット)を顔面に叩き込まれて中断され、挙句の果てに電信柱にグシャリ。ついでに倒れてきた電信柱に潰されてプチ♪
「「プチィ!?」」
トオルとサキ、思わず絶叫。そりゃ潰されたら死ぬわな。とゆーわけでここであの馬鹿のご冥福をお祈り・・・。
「僕は死にまっしぇーーーーーーん!!!」
・・・できませんでした。粉々になった電信柱からガバリと起き上がってあの名ゼリフを声高に叫んだ。てめぇ、武田○矢さんに訴えるぞ。しかもそのセリフトラックに敷かれる直前だろ。場違いなんだよてめぇ。
「・・・ソウジロウ、何ぶつぶつ言ってんの?」
失敬、さっきのセリフはほとんどソウジロウの物でした(とゆーわけでの辺りから)。
「ちょっとちょっとソウジロウ〜。お前いきなりキックはないだろキックは〜。死ぬかと思ったぞ俺〜。」
「黙れマサシテメェがこの一家の中では一番復活すんの早いだろーが我慢しろ馬鹿が。」
「ひどいわ!その一息も入れずに言い切る悪口ひどいわ!私はあなたをそんな息子に育てた覚えは・・・!」
ヂャキリ。
「だ・れ・が、息子だあぁん?遅刻した癖にそんな口聞いてっと喉仏に風穴開けるぞコラ?」
そう言いつつ、顔面笑顔なソウジロウは顔面蒼白のマサシの喉元に妖しく黒光りする『イングラムマック11サブマシンガン』を突きつけた。ちなみに目は笑ってない。
「あ、てゆーかお前回復力は尋常じゃなかったよなぁ〜?今この場で鉛玉受けてみたらどうなるかなぁ〜(^▽^♯)」
「い、いや・・・あの・・・その・・・ごめんなさいです・・・(T△T)>ビシ」
涙流しながらマサシくん、敬礼。ソウジロウはゆっくりと銃を引っ込めた。因みにこの銃、コウシロウが世界各地で旅をしている祖父がくれた物で、祖父曰く護身用らしい(護身用にしては強力過ぎ)。それをソウジロウ自身がカスタマイズした(その技術は死んだ父親似だと祖父から聞いた)。もちろん(!?)本物だが、今はマガジンがグリップに刺さっていないので弾丸は入っていない。この銃の歴史を知りたい方、ホームページでも見てください。
「てゆーかそれ明らかに銃刀法違反じゃないの?」
サキが恐る恐る口を開いた。
「だいじょーぶ♪発砲しなけりゃエアガンと見られるから。」
「いや、発砲したら終わりだぞ・・・。」
トオル、静かにツッコミ。その後ソウジロウに睨まれて黙りました。
「でさ、何で突然こんな所に集合?家で待っとけばいいじゃん。」
もちろん、ここに呼び出したのがソウジロウなのは言う間でも無い。ついでに言うと、トオルを除いてメンバーは全員同じ高校に通っているが、ソウジロウは帰宅部な為さっさと帰る。サキは空手部の練習で帰りが遅かったらしい。マサシはソウジロウと同クラスだが、趣味のナンパが祟って帰りが遅い、トオルも趣味の発明で来るのが遅かった。で、このメンバー実は一つ屋根の下で暮らしている、いわば家族のようなもの。全員、揃いも揃って血も繋がってないが、いろんな縁で暮らしている。そこら辺の事情はまぁいつか説明するとして。
「そうだ!俺はついに完成しそうな発明品を泣く泣く中断したんだぞ!昨日だって完璧徹夜だぞ!なのにどうしてこんなところ(チャキ)すいませんでした!!(;>▽<)ノ」
トオルは熱く語りだしたが、コウシロウに銃口向けられて止む無く謝る。
「なるほど・・・何も知らなかったということか・・・。」
コウシロウは顔半分に影を落とし、ゆっくりとマサシに銃口を向けた。体から発せられる殺気に、マサシ、硬直。さっき言ったけど弾丸入ってない。
「さぁて、説明してもらいましょうか?マ・サ・シ・君?」
「「「へ?」」」
ソウジロウ以外、素っ頓狂な声を上げた。
「な、何のことですか?」
マサシの声が裏返っている。無理もないか。
「へぇ〜・・・覚えてないと?昨日の事。」
マサシはその言葉を聞いて、怪訝そうな顔をした。
〜回想中〜
その日は、ソウジロウ達の学校全体は短縮授業で、一年のサキは部活に行っており、トオルもたまには息抜きというわけで近くの公園に散歩しに出掛けていて、家ではソウジロウとトオルだけだった。その時トオルはテレビを、ソウジロウは広告チラシを読んでいた。事の発端はここから起こる・・・。
『おぉ!マサシちょっとこれ見ろ!』
『何だ!?何だ!?』
『これ!タイムサービス卵六個入りなんと15円!そして鳥モモ肉100g四つ入り30円!しかもうちの近くのスーパーで午後六時開始!反則級だろ!?』
『へ、へぇ〜・・・(そんだけかい)。』
『よっしゃ買い漁るぞぉ!!この時間帯ならば皆も帰ってくるし、人数が多ければ多い程物を多く買えるし、持ち帰るのも楽!!』
『ふ〜ん・・・(普段のんびりしてるけど、こういうのに限って熱くなるよな〜コイツ)。』
『このチャンスは逃さんぞぉ!!・・・あ、買い物忘れてた行ってこよ♪』
『(戻んの早っ!!!)』
『ああ、マサシ。悪ぃけどお前二人が帰ってきたら『明日スーパーのタイムセールスだから三十分前の五時半、スーパーの近くの空き地に集合。遅れたら殺す』と伝えといてくれ。』
『は、はい・・・。』
とまぁ、後半脅しが入った伝言を作り笑いで受け取り、ソウジロウが買い物籠(ソウジロウはエコという言葉が大好きだ)を持って家を出るのを見届けた後、マサシはゴロリと横になりながらテレビを観賞していた。
そして時間は過ぎ・・・・・・。
『ただいま〜♪』
『あ、サキおかえり。』
『うん。ソウジロウは?』
『買い物に行ったぞ?』
『ふ〜ん。』
で、マサシはソウジロウに言われた伝言を思い出した。
『ああ、ソウジロウから伝言頼まれたんだった。』
『え?何?』
『あのなぁ〜・・・『明日六時にスーパーの近くの空き地集合』だって。』
『へ?』
『来ないと殺すってよ?』
『わ、わかったわ・・・(/_\;)』
とまぁ、お気づきの方が多いでしょうが(てゆーか気付かないのがおかしい)、明らかに要点を省いております。本人に悪気は一切ございません。本当にありません。ただ、『六時にスーパーのタイムセールスがある』というメッセージを、テレビに夢中になっていたのか(その時、こいつは未成年禁止のビデオをサキが帰ってくるまでにこっそり見ていた)、一番大事な部分である『スーパーのタイムセールス』と『五時半集合』という単語が完膚無きまで抜けていた。そして記憶の断片をかき集めてこの間違いだらけの伝言を伝えていた。これを帰ってきたトオルにも伝え、マサシは心中、俺はよくやったとガッツポーズをした。それが自分にとってまさに自殺発言というにも関わらず・・・。
〜回想終了〜
これを聞いて、マサシの顔これ以上ないってくらい真っ青。
「おかしいと思ったんだよ。サキがたかが五分の遅刻っつーた時はな。集合時間に三十分以上も遅れてんのにそのセリフはなんぞいという何ともブチ殺したくなる発言くっちゃべっりやがってよぉ(サキびびってる)?まぁね、俺もね、自分の責任でもあると思う訳よ?お前の記憶力というか集中力ってさ、何つーかヤバイじゃん?激ヤバじゃん。まぁ六年間ずっと一緒だった俺もね、浮かれていたそん時は気付かなかった訳よ。こんなことならメモするか、買い物から帰ってから直接言うかにすりゃよかったと思った訳よ。でもまぁ、伝言頼んだ以上情報ミスはお前の責任な訳だし?その責任は払ってもらわなきゃあ困るんよ俺は?」
作者としては何でマサシがそんな誤情報流したのを知ってんのか気になるところだが・・・。
「ついでに言うとさぁ、タイムセールス終わってんだよねぇ?もちろん誰のおかげでこうなったかは・・・わかるよなぁ?」
ソウジロウは弾丸の入っていない銃を思いっきりマサシの鼻に押し当てた。てゆーか弾が入っていない時点で怯えることはないが、銃には撃つ以外にも『打撃武器』としての使い道があるのをお忘れなく。
「あ、いや・・・そのぉ〜・・・・・・・・。」
「言い訳無用!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
〜省略〜
「とゆー訳で、しゃあねぇから近くの八百屋さんとこ行くぞ。」
「「は、ははははははい!!!わかりました!!!」」
サキとトオルはそれはもう、ガッチンゴッチン♪ソウジロウは血まみれになった銃を懐にしまい、今度は買い物籠を引っ張り出した。
「・・・なぁ、お前銃とか籠とかってどっから出してんだ?」
トオルの素朴な疑問。
「あ〜・・・秘密♪」
「「・・・」」
とまあ、この謎は永遠ということに♪一行は死体(※元マサシ)を引きずりながら夕焼けに染まる路地を歩いていった。
で、マサシを引きずりつつ来たのはソウジロウ達にとっては馴染み深い商店街。皆で住むようになってからずっとお世話になっており、ソウジロウ曰く命の源の供給源であるとのこと。それだけにいつも行っている店の人達とも顔馴染みで、中には・・・。
「おっちゃん、こんちは〜♪」
「お、ソウちゃんじゃねーか。」
「ソウ兄ちゃんだぁ☆」
こんな感じで、八百屋のおっちゃんの子供とかも親しいくらいだ。
「どうしたぁ?今日はタイムセールスじゃなかったのか?」
おっちゃんが軽快に笑いながら言った。
「いやぁ〜、実はこのバカがさぁ〜。」
ソウジロウは腕にぶら下がる八百屋の娘さんを下に降ろした後、苦笑を浮かべながら足元にある死体ことマサシを爪先でつついた。おっちゃんも同じように苦笑を浮かべる。
「あ〜そりゃ災難だったねぇ〜。」
このおっちゃんもマサシの記憶力の無さには気付いている。さすが長年の付き合いだけあるというもの。ソウジロウの隣で娘さんが「お兄ちゃん、これなぁに?」とか言いながらマサシをツンツン突いていたから、「触っちゃダメダメ。病気がうつるぞ?」とかなりヒドイことを教えてあげた(限りなく笑顔で)。
「病気とは何かぁ!!」
・・・いきなりマサシが復活した。娘さんも大層驚いたようでビクリと体を震わせつつソウジロウの背後に隠れた。その様子をあくまで客観的に眺めていたサキ達は思わず微笑んだ。
「ふぅ・・・ミキちゃん、ちょっと向こう向いててくれ。」
ソウジロウは娘さん、改めミキちゃんをマサシとは逆の方向に向かせた。そしてぎゃーぎゃー喚くマサシの顔面に思い切り蹴りを入れて仰向けに倒した後、踵落としを鳩尾に一発かましてやった。
「さて、んじゃ買い物させてもらいますかね?」
「ま、毎度・・・。」
おっちゃんも長年の付き合いだけどさすがに真っ青。偶然目撃した赤の他人も真っ青。サキとトオルも冷や汗を流しながら作り笑いを浮かべることしかできない。ミキちゃんは皆の様子に?マークを浮かべるばかり。そしてその中で品定めをしているソウジロウ。もう何が何だか。
「お!このキャベツでっけぇな。これください。」
「あ、あいよ!」
おっちゃんはいつものペースを取り戻した。
「あとそれと・・・それとそれとそれとetc…。」
結局、タイムセールスで使う予定だった五千円は綺麗になくなった。
「毎度あり!また来いよソウちゃん。」
「バイバイ、ソウ兄ちゃん!」
「サンキューおっちゃん。じゃあなミキちゃん。」
おっちゃんとミキちゃんに見送られつつ、ソウジロウ達はマサシを引っ張りながら歩いていった。明らかに視線が痛いハズだが・・・。
「・・・ねぇソウジロウ。」
唐突にサキが言った。とても言いにくそうだった。
「ん?」
「これ(マサシ)さぁ「それについては問答無用♪」
(゜皿 ゜;)
それきり、二人は黙ったままソウジロウの買い物に付き合わされた。
それは変わらない日常。それぞれが不幸な過去を持ちつつも、友人以上の絆で結ばれた四人の若者達。平和に生活を営んでいた彼らに待ち受けるもの、それを誰が予測できようか・・・。