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第二十五騒動 記憶

久々の更新です!


気付いたら外にいた。


周りは炎に囲まれていた。


家が燃えていた。


血が辺りに広がっていた。


村の人が倒れてた。


動かない・・・。


息もしてない・・・。


「どうして?」


どうして死んだの?


どうして燃やすの?


何でみんな私を見るの?


何でみんな怯えてるの?


どうして?








どうして母さんは死んだの?








何で?


どうして?


何故?


ねぇ。


「答えてよ・・・。」


誰か言ってよ。


誰か教えてよ。


誰か答えてよ。


ねぇ。


お願いだから。


誰か・・・。









「フィリア?」

しばらく走ってるとフィリアが入り口のところでうつ伏せに倒れていた。何でこんな所にいるのか疑問に思う前に、気が付いたら走り出していた。抱き起こすと顔色が悪かく、汗もかいていた。

「おいしっかりしろ!」

呼びかけても反応なし・・・息はしてるから気を失っているだけと見た。ふと視界に盗賊とは違った服装をしている男が仰向けに倒れていた。おそらく逃げ遅れて捕まりそうになって抵抗してバッサリやられた村人かもしれねぇな。辺りは血溜りが出来てるから多分この男のモンだろうな・・・もしかしてコレ見て失神したのか?確かにショッキングではあるが・・・とにかく冥福を祈っておこう。

「ソウジロウー!」

振り返るとサキとメルがそれぞれジュードとシェリーを担ぎながら駆け寄ってきた。

「お前ら。」

「!フィリア!?どうしてここに?」

まずメルが反応した。

「知るか。ここで倒れてたんだ。」

「え!?それってまずいんじゃ・・・。」

サキに言われなくてもわぁってらぁ。

「とりあえず撤退すっぞ。ここの炎も全然消えねぇし、もうちょっと使いやすい消火器を・・・ってありょ?」

「「・・・へ?」」




気が付いたら炎は全部消えていた。




「え・・・何コレ?」

「炎が・・・消えた?」

「・・・。」

さすがにこれは俺もちょっとビビった。今あるのは真っ黒にこげた家だけ。

「確かにまだ消火してなかったよね?あたし達。」

わかってることを聞かんでもいい。

「ソウジロウー!!」

「ソウジロウくん!」

通りの向こうからリリスとマサシが駆け寄ってきた。心なしか二人とも白く見える・・・視力悪いんか俺?

「「って白!?」」

あ、実際に白いのか。

「おい、どうなってんだよ!?」

「お前らがどうなってんだよ。」

俺としてはそっちが疑問だ。今んとこ。

「いや、これはだな、消火器が暴れて・・・じゃなくて!」

そんだけ言えば理由はわかった。

「何で村の炎が突然消えたんだってことだ!!」

「知るか。」

「一言!?」

って遊んでる場合じゃねぇ。

「とにかくその話は後だ。フィリアがちょっとまずい。」

「え、どうしてフィリアが・・・。」

リリスが驚く。

「こっちが聞きたいけどとにかく帰りましょう。」

「賛成だ。これからの事も話さなくちゃならないしな。」

「トオルが無事かどうかも確認しなきゃね。」

満場一致で一時撤退。俺らは焦げ臭くなった村を後にした。





「あはは、なかなかやるねぇ彼ら。」

村から少し離れた村の家よりか高い岩山の天辺から走り去っていくソウジロウ達を見つめつつ蒼いローブを纏った青年は笑う。右手には真っ赤な宝玉が乗っている。

「にしても・・・あの改良型のデスウルフを倒すなんて・・・。」

顎に手を添えながらソウジロウを見つめる。

「こりゃあ・・・これから退屈しないで済みそうだね♪」

楽しげに言うと服と同じ色合いの長い髪を靡かせながら青年は岩山からヒラリと飛び降りた。


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