第二十騒動 うっわ、いきなりの展開に俺マジ引き
まぁ題名通りです。俺の目の前に広がるのは、正にいきなりの展開。どーゆーのかというと・・・
サキとメルとシェリーが座りながら(正座)互いを睨み合っております。
もぉね、動いたら負けね♪ってくらい真剣な表情で睨み合ってんの。何にそんな睨み合ってんのかさっぱりわからん。あれ?そういや俺思ったんだけどさぁ・・・
具体的に婚約者って何だ?
全員の驚きようからすると、かなり大事だと思うんだが・・・まぁ俺もね、その場のノリでいろいろ言ってきたけどさ、もぉダルいし、その事を本人達に言ったら色々言われたけど俺全部無視。やかましいから実力行使した(と言っても日本刀を鞘からほんの少し刃が見えるようにしただけだが顔青くして大人しく引き下がった)。そしてこいつらは何でこんな仲悪いんだ?サキとメルなんてさっき協力し合ったばっかだってのにいきなりこの空気だし〜・・・あぁ俺鬱になっちまいそうだ。
「あ、ソウジロウさん。お塩取ってくれます?」
「あいよ。」
で、俺は何してるかってゆーと只今リリスと一緒に晩餐の仕度をしておりまーす。今夜の献立は肉じゃがにしました♪もぉあっちは放っといてLet’sクッキング♪
ソウジロウ達が平和に和んでいる頃サキ達は・・・。
「「「・・・。」」」
三人の表情
↓
(*゜皿゜)
こんな感じ。
「・・・言っておくけど・・・。」
サキが口を開いた。
「私はソウジロウとアンタが結婚するだなんて絶対認めないからね。」
「それはあなたが決めることではない。よって断る。」
「こっちだってアンタの家庭事情なんて知らないわよ。」
「第一、ソウジロウから返事はもらったの?」
「まだだ。」
「アッサリ言っちゃったら何言えばいいかわかんなくなるじゃない。」
「しかしこれからもらう所だ。」
「くっ・・・すでにやる気のようね。」
「ならば徹底抗戦よ・・・。」
「望む所・・・あの人は渡さない。」
「「それは私のセリフよ」」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・。
いつか見た殺気+1再び。
「いざ!」
「来い!」
「返り討ちよ!」
そして全員立ち上がってそれぞれ得物を構える!
ダンッ!!!(包丁でまな板を強く打ち鳴らす音)
「・・・静かにしろ。」
「「「はい!!」」」
しかし三人の殺気もソウジロウの殺気には敵わなかった!
再び正座する三人。
「で?どう決着付けんの?」
「ん〜・・・。」
「ならば本人に直接聞けばいい。」
「「は?」」
シェリーの発言に頭の上に?を浮かべる二人。
「つまり、ソウジロウはどのような女性がタイプなのか、という事を聞けばいいのでは?」
「あ、なるほど。」
「そういえば私も本人から直接聞いたことないなぁ。」
「決まりだな。」
とゆーわけで、三人の突撃インタビュー♪
「ソウジロウ?ちょっと聞きたい事があるんだけど。」
「ん?」
「ソウジロウってさぁ「君は年上が好みか?」・・・。」
シェリーに先手を取られたサキ。
「は?」
「あ、アンタぁ・・・。」
「早い者勝ちだ♪」
「くっ・・・!」
「じゃ同い年は?」
メルが聞く。
「アンタまでぇ!」
「早い者勝ちでしょ?」
「う〜・・・!」
悔しそうに唸るサキ。
「で?どうなのよ?」
「年上か?それとも同い年か?」
ここで普通は一般男子なら迷いに迷って答えようとします。ソウジロウは・・・。
「あ?好み?んなの知るか。」
即答でこんな感じ(しかも真剣に料理してるからどうでもよさ気)。
「「「・・・。」」」
これ以上追求したら包丁が飛んできそうなのでスゴスゴと引き返す三人。
「う〜・・・やっぱりソウジロウって容赦ないなぁ。」
「いっつもあんなの?」
「うん。本人に悪気はないのは確かなんだけどねぇ。」
「でもあんな事言われた日には普通の女の子だったら本気でキレて・・・。」
「あぁ・・・ソウジロウの暴言って・・・何だか癒される・・・。」
「「・・・。」」
ここにうっとり顔を赤らめている危ない女が一人(*21歳です、これでも)。うっわ引くわぁ。作者でも。
「・・・でもキレない私らって何なの?」
「とゆーより怒れない?」
「まぁ相手が包丁持ってるからね。」
「最初の日に投げつけられたし。」
「「・・・。」」
改めてソウジロウの恐ろしさを実感した二人。しかしそんな危なっかしさがまた彼女達を痺れさせるという。こいつら揃ってMかよ。書いてる作者までも引くわぁ・・・。
「でもこれじゃいつまで経っても決着つかないわね・・・。」
「やっぱり実力行使するしかなんじゃない?」
「だがソウジロウが怒るぞ?」
復活したシェリーが言う。
「ん〜そうなんだけど・・・。」
「交渉してみる?暴れてもいいかどうか。」
「してみるか。」
で交渉してみた・・・。
「外でやれ。」
一言で片付けられた。
「外ならいいらしいよ。」
「よぉし!そんじゃ決着つけますかぁ!!」
「望む所!!」
三人は得物を持って外へと飛び出した。
「行くわよ!!」
「こないだのケリつけるからね!!」
「勝負!!」
まぁ始まったのはいいんだけど作者的には戦闘描写する気分じゃないんでソウジロウ達(リリス視点)の様子を書くことにします。
「ったくあいつら何で毎回毎回喧嘩してんだ?」
「さ、さぁ?」
喧嘩の理由があなたって事に気付いてないんですか?ソウジロウさん。
「ま、元気があるのはいいことだがな。」
「お年寄りみたいな事言いますね。」
「うっせぇ。あ、そこの醤油取って。」
「この黒い液体ですか?」
「その表現は微妙に生生しいからやめれ。」
最近になってようやくソウジロウさん達の世界の物の名前を覚えてきた。キッチンでお手伝いをしていれば自然と覚えてくるから当然かな?
「でも・・・。」
「?どした?」
「楽しそうで・・・いいですね。」
「いや俺からしてみればうるさくてたまらんのだがな。」
「まぁ、そうですが・・・。」
確かにあの人達も度が過ぎてるような気も・・・。
「でもさ。」
「?」
やる気のない口調から突然穏やかな口調に変わった
「うるさいってのはいい事だな。」
「え?」。
「いやさ、毎日静かだと何か虚しいじゃんか。逆にこううるさいと、自分は一人じゃねぇって事実感できるから何だか嬉しくなっちまうんだよなぁ。」
「・・・。」
外で暴れているメルさん達を見て照れもせずにソウジロウさんは言った。『うるさい』・・・この言葉って悪口にしか使わない。けれど、一人の時、寂しくてしょうがない時、そしてとても静かな時・・・自分が押しつぶされそうになって恐くて仕方がない。私は今まででそんな経験たくさんあった。でも今では・・・メルさん達と出会った頃からは・・・毎日が『うるさい』。だから全然寂しくない。ソウジロウさん達がいる今では、前よりうるさくなって、それが逆にうれしい。周りに大事な人がいるっていうのは、大事な事だっていうのを、ソウジロウさんが教えてくれた気がした。
「まぁ、度が過ぎたら怒るがな。さすがに。」
いつもの口調に戻って思わずクスリと笑った。
「何だ?」
「いえ・・・やっぱりいつものソウジロウさんだなって思って。」
「別に変わってねぇじゃん。」
「そうゆう気がしただけです。」
「あ、そう・・・あとさぁ。」
「はい?」
「お前俺に『さん』付けする必要ねぇぞ?大して年変わんねぇんだからよ。」
「え?でも。」
「でももども(?)もヘッタクレもねぇっつーの。とりあえず『さん』は禁止な。気分的に。それ以外なら何でもいいぞ?呼び捨てでも。」
「よ、呼び捨て・・・。」
さすがにそれは・・・気恥ずかしい気分。
「じ、じゃあ・・・。」
私は息を少し吸い込んだ。
「ソ、ソウジロウ、『くん』で。」
「・・・『くん』?」
「・・・はい。」
やっぱりこれも少し恥ずかしい・・・。
「ん・・・ま、いいやソレで。じゃこれからはソレな。」
「は、はい!」
「いや、敬語はなぁ・・・まぁ気分で変えてくれる程度でいいか。」
気分で変えるって・・・どうゆう意味なの?
「あ、そこの皿取ってくれ。」
「あ・・・はい、ソウジロウくん。」
「おう。」
こうして、私は彼の事をソウジロウくんと呼ぶことになった。
「いいよな〜ソウジロウモテモテで。」
「いいなぁリリスさん。」
「は?何言ってんだオメェら。」
それをリビングから見ていたマサシさんは恨めしげな視線をソウジロウさんに、フィリアは私に送っていた(他の人達はお茶を飲んで一服していた。)。
家の中が和やか+ソウジロウとリリスがちょっといい仲なのに対し、夕日が照らす家の外では・・・。
「はぁ、はぁ・・・やるわねアンタ。」
「ふっ。伊達にランアット家の長女として生まれてきたのではないわ。」
「く・・・本気でやっても勝てないなんて・・・。」
まぁ何となく予想は出来ていた感じで、サキとメルが劣勢、シェリーが圧倒的優勢。勝敗は火を見るより明らかである。
「でも・・・まだ負けてないわ。」
サキがフライパンと包丁を構えた。
「何度でも立ち上がってみせる!」
メルも剣を正眼に構えた。
「なるほど・・・威勢だけは一人前か・・・。」
シェリーも双剣を構える。
「来い!」
「「はぁぁぁぁ!!!」」
サキとメルはシェリーに飛び掛っていった・・・。
結果。
途中でソウジロウが一階のベランダの戸から三人の足元に向けてマシンガン連射したから命乞いして引き分け。
今回はちょっと文章変えてみました。これはこれでいとをかし?