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第十騒動 ソウジロウ、リミッター解除!!!血風録再び!!!













荻町に住む高校生、坂本 宗次郎はある禁句を言うと・・・・・・・キレる。






『へぇへぇへぇへぇへぇへぇへぇへぇへぇへぇへぇへぇへぇ・・・・・・・・・』








実際に本人が通っている高校の担任教師、谷本 京香先生(25)に聞いてみた。



「はい確かに、うちの生徒である坂本君はある禁句を言うと理性がはずれたように暴れ出します。その時の暴れようについては、今ベストセラーになっている、『少年Sの血風録』に記載されています。」




こちらの赤い本が、『少年Sの血風録』である。著者は元暴力団の一員で、彼が所属していた暴力団が壊滅するまで記載されており、中にはその場にいた人間達のインタビューも書かれている。


中身はこう書いてあった。


A「あ、あいつはば、化けモンだ・・・お、恐ろしくてしゃ、喋れねぇ・・・ヒィ!」


B「大勢の組員があいつに飛び掛ったが・・・一瞬にして全員吹き飛ばされちまった。まるで手品を見てるみてぇだった・・・。」


C「仲間のうちの何人かが躍起になってポン刀取り出したけど、うち一本を奪い取ってその場にいた全員を峰打ちでのしちまった・・・あんなの人間業じゃねぇ。」


D「組長がいきり立って奴に向かって発砲しようとしたら、あのガキ一瞬にして組長の腹に正拳突きしやがった。そのまんま組長は病院送りになっちまった。」


E「姐さんが格闘術でガキと戦ったが、結果はガキの平手打ちから腹に向かって膝蹴り、それから脳天に拳骨落としてのしちまった。姐さんもそれがトラウマで今じゃ堅気になっちまってるよ・・・あの姐さんが負けるなんて・・・恐ろしい・・・。」


Etc…






著者もこっ酷くやられた為、本を出してもいいか本人に直接怯えつつも相談しにいったようだが、本人は当時の事を全く気にする素振りは見せず、快く承諾してくれたという・・・。



あの事件以来、荻町に新たな伝説が生まれた・・・。












荻町に住む高校生、坂本 宗次郎はある禁句を言うとキレる 100へぇ












と、まぁトリビ○の泉風にソウジロウの活躍の前例を挙げたわけですが、こっからはソウジロウがキレていて解説できないのと、その場にいる者は全員恐れから解説しようがないので、作者視点からお送りいたします。



ソウジロウが放った拳は、炎によって燃えることなく、逆に炎を拳圧で散り散りにさせた。

「な・・・!」

あまりの想定外の出来事に、ガベルの顔が驚愕で歪んだ。魔力で作られたものは、基本的に物理攻撃を一切受け付けず、有機体にのみダメージを与える。よって剣等で切り裂いたりすることは不可能である。だが、ソウジロウはいとも容易く炎を消し去った。剣でもなく、魔力による結界でもなく、拳からの風圧で。ゆっくり構えを解いたソウジロウは、腰に差した火掻き棒を引き抜いた。

「おめぇら全員・・・ぶっ飛べーーーーーーーーーーーー!!!!!」

怒りの形相でソウジロウが突っ込んできた。

「へ、兵士達よ!奴を、奴を殺せ!八つ裂きにしろぉ!!!」

ガベルが焦りの混じった声で命令すると、兵士達はあまりの光景を見て呆然とした状態から復活し、各自得物を手にしてソウジロウに切りかかっていった。

「ふっ!!」

ソウジロウは気合とともに棒をブンと横へと振りかぶった。近くにいた兵士達は直撃を受けて大きく吹っ飛び、その軌道上にいた者も巻き込まれていった。背後から襲いかかろうとした兵士はソウジロウのバックキック(振り向き様に放つ蹴り)を受けて吹っ飛び、また槍が飛んでくるとそれを棒で叩き壊した。そして一瞬にして兵士達が固まっている中心へと踏み込むと、素早く逆立ちして大きく開脚させ、そのまま片手を軸にして回りだした。俗に言うウィンドミルをしながらキックを放つ。すると兵士達は高速回転する蹴りを受けられず、そのまま吹っ飛ぶ。回転が終わると、片手で地面を強く押してから飛び上がり、手前にいた兵士に踵落としを食らわせる。グゥの音も出ないくらいの衝撃を食らった兵士は成すすべなく倒れこんだ。

「い、今だ!かかれ!!」

一人の号令と同時に、兵士達が飛び掛ってきた。

「ムン!!」

気合と共に先ほど昏倒させた兵士の足を両脇に挟みこみ、そのまま回転し始めた。今度はジャイアントスイング。脇に挟んだ兵士で飛び掛ってきた兵士達を次々と吹き飛ばす。止めに兵士を投げ飛ばして、その先にいた連中もろとも巻き添えを食らわす。「ぐふぅ!!」という呻き声を上げながら揃って気絶した。

「クソ!西側と東側の弓矢隊はまだか!?」

隊長らしき兵士が叫ぶと、ソウジロウの顔スレスレに弓矢が飛んできた。

「!?」

ソウジロウが左右を見渡す。そう遠くない場所にある見張り塔から弓矢がビュンビュン飛んできて、ソウジロウは身を屈めて回避する。

「離れろ!弓矢隊だ!」

「へ!これで奴も終わりだ!」

「弓矢の的になっちまえ!!」

ここぞとばかり、入り口付近に避難した兵士達はソウジロウに罵声を浴びせた。今となっては負け犬同然だが、ソウジロウはそんな事気にしない。右耳目掛けて飛んできた矢を掴むと、そのままへし折った。そして息を大きく吐きつつ足を開き、右手に持っていた矢を投げ捨てると、両腕を左右に向けた。開いた手の先には、西側と東側の見張り塔がある。

「な、何する気だ?」

「諦めたか?」

「へ!カッコつけたまま死ぬたぁクソ生意気なもんだ!」

(違う・・・。)

リリスは感じていた。ソウジロウの体から魔力とは違った何かが放出されているのを。

「ぉぉぉぉぉぉ・・・・・・。」

ソウジロウが低く呻いた。

「ぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!!」

やがて呻きは大きくなり、手の先に光が集まっていく。

「な、何、一体・・・?」

メルも先が読めずに思わず呟く。他の全員も同様だ。









気合球きあいだまぁ!!!!!」









ソウジロウが叫ぶと同時に、黄色く輝く光球が掌から放たれ、左右にある塔へと向かって吸い込まれるように飛んでゆく・・・。



ズドン!!!



地響きがくるくらいの爆発で、左右の塔が吹っ飛んだ。風圧でその場にいた者全員の髪や服が大きく靡く。

「うわ!」

「きゃああ!!」

全員風圧に耐えるように必死に堪える。メル達はフィリアを庇うかのように固まって耐える。やがて風が止むと、少し離れた場所にあったはずの二つの塔が、根元もろとも跡形もなく消え去っていた。

「な・・・。」

あまりの光景にメル達も絶句する。

「ば、ば、ば・・・。」

一人の兵士が数秒の沈黙を破って呟いた。




「化け物だああああああああ!!!!!」




「ぎゃあああ!助けてくれええええ!」

「逃げろ!あんなのに敵う訳ねぇ!!」

「まだ死にたくないよーーーーーー!!!」

「ママーーーーーー!!!!」

『化け物』という声を言葉をスイッチに、兵士達は我先にと泣き叫びながら塔を駆け下りていった。つーか最後のセリフ・・・オメェいくつだオイ。兵士達がいなくなった後、残ったのはソウジロウとメル、カイル、フィリア、リリス、ジュード、そしてガベルのみとなった。

「さぁて・・・。」

やがてゆっくりとソウジロウはガベルの方へと向き直った。その顔は狂気的な笑顔で満たされており、目は殺気で爛々と光っている。ガベルだけでなく、メル達も思わず凍りついた。

「次は・・・アンタだ。」

いつの間にか腰に差していた火掻き棒を抜き取り、ガベルに向かって歩き出した。

「く・・・来るなぁ!!!」

ガベルは恐怖で顔を歪ませ、杖の先端を向けた。

「『グラウス・ヘル』!!!」

高速の火球がソウジロウ目掛けて飛んできた。それも一発ではない。持てる魔力を利用して、呪文の効果が続いている間に何発も連続して撃ち放った。どうみても避けられない。だがソウジロウは自ら走り出て、一発目の火球を体を僅かに横に反らしてかわし、もう二発目も反対側に反らしてかわす。同時に二発揃って放たれた火球を、ジャンプしつつキリモミ回転しながらかわす。僅かに髪やジャケットの裾を掠るが、体には直接当らず、片手と膝を着いて着地、すぐさま飛んできた火球を今度はマトリックスの要領で大きく体を後ろに倒れこむようにして反らす。火球はソウジロウの顎スレスレを通過して宙で散った。

「バ・・・バカな・・・。」

「ス、スゴ・・・。」

その場にいる全員が呆気に取られながらも、ソウジロウは体勢を直し、火掻き棒を手にガベルへと走り寄る。

「な!?く、来るな!来ないでくれ!!」

ガベルは杖を振り上げて懇願した。しかしもう魔力はない。そしてもはやソウジロウにはその願いも届いておらず・・・。

「テメェの失敗は・・・。」

大きく跳躍しながらソウジロウは火掻き棒を振りかぶった。

「俺をハリ頭と呼んだ事・・・。」

落下しながら腕の筋肉を膨らませる。

「それと・・・。」

そしてそのまま振り下ろす。





「フィリアを泣かせた事じゃヴォケェェェェェェェェェ!!!!!!!」





落下速度を利用した渾身の振り下ろしは、ガベルの杖を両断し、そのまま兜を凹ませた。

「うぐぉぉぉおおおお!!!!」

頭から血を出しながら後ろへとゆっくり倒れこみ、手にした剣と壊れた杖も手放した。ソウジロウはガベルが完全に倒れるまで殴った状態から動かない。手に持った火掻き棒もグニャリと変化している。

「・・・ふぅ。」

やがて小さくため息をついて硬直を解いた。その体からはもはや先ほどの気も感じられず、顔も元ののんびりした顔に戻っていた。振り返ってメル達の下へと行こうとすると、呻き声が背後から聞こえてきて再び足を止め、フゥと息を吐いた。

「き・・・貴様・・・何をしたのか、わかっているのか!?貴様らは我ら帝国に歯向かった上、この私を傷つけた!皇帝陛下に、王に忠実を誓ったこの私を!もはや貴様らはどうなるか見えておるわ!このような行為はもはや極刑、処刑に値する!貴様らは逃げも隠れもごぶぉあ!?」

言いかけてる途中でソウジロウがガベルの鳩尾を思い切り踏みつけた。

「さっきからベラベラベラベラとよく喋りやがって・・・まだダメージが足りねぇか?あ?」

「な!?ま、待て・・・。」

「つーか皇帝陛下?王?んなもんで俺を脅そうってか?アホ丸出しだなぁオイ?」

ソウジロウは踏みつけたまましゃがみ込み、拳を大きく振り上げた。

「ま・・・ごがはぁ!!!!」

顔面を強くぶたれたガベルは鼻血を噴出しながら気を失った。やがてソウジロウは立ち上がった。

「王だか何だか知らねえがどっからでも来い。まとめて足腰立たねぇようにしてやるよ。」

そして一息ついて、今度こそ動かないのを確認すると、メル達の下へと歩き出した。


今度はアクション物です。なかなか難しいですね、動きを表現するのって。でもホント自分で思うのも何だけど、ソウジロウって人間離れしてるよなぁ・・・って思う今日この頃。

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