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転生先は崩壊した未来世界~世界再生機構Venus~  作者: 光影


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第3話 緊急事態 ―― 加護の強制発動


 美琴が仕掛けた時限式爆弾が起動。

 敵の機動力を奪う。

 一瞬でわかってしまった。

 目の前にいる可憐で可愛らしい少女たちがとても強いことを。


 茶色い地面と荒れ果てた民家が広がる場所。

 人間と機械の戦闘が始まる。

 早く勝負を決めなければ。

 援軍を呼ばれてしまう。

 焦る星野を他所に適合者の鋭い眼光が敵を貫く。

 続いて銃弾が敵の身体に風穴を開ける。

 

 銃火器の火花が散る度に、地面の黒い場所が血の跡だとわかる。

 殺さなければ殺される。

 星野は息を呑み込んだ。

 もうこれは……自分がかつて生きていた世界とは違う。

 さっきから隠れているだけなのに心臓が苦しい。

 硝煙、血錆ついた匂いが鼻を刺激する。

 思わず、吐きそうになる。

 グッと堪え、いざっという時に備え三人の適合者の背中を見守る。

 とはいっても、銃撃戦素人の男ではもうできることはないだろうと思ってしまう。


 銃弾が頬を掠っても、気にしない福永。

 それどころかアサルトライフルの引き金に指を駆けて、敵のコアを集中砲火。


 和田のグレネード弾が敵の機関銃に命中。

 反動で狙いが外れた銃弾は空に消えていく。


 他の敵は美琴が気になるのか、まんまと視線誘導に引っかかり狙いを定めている。


 周囲の銃声音は止むことはない。

 慣れない環境に耳鳴りまでしてきた星野は我慢と自分に言い聞かせる。


 ドンッと遂に機械の身体を持つファーレンが倒れた。

 同時に、星野はめまいがした。

 まるで身体中のエネルギーいや生命力を奪われているような……。

 だけどあの時と違い、美琴の弾が一発一発強力になっている気がする。

 それに福永と和田の弾も。

 加護ってもしかして……。

 そんなことを気にしている暇ではない。

 意味がないかもしれないと思いつつもただ見ているだけではダメだと責任感を感じた星野は手に持っていた護身用の拳銃で威嚇射撃を始める。

 意味はない。

 と思われたが、そんなことはなかった。

 仲間が倒れ、動揺したファーレンの注意が美琴と星野、そして倒れた仲間へ向けられ散漫になった。


「あと二機!」


 美琴の声が戦場に響く。


 それは戦況が変わったことを意味する。


 頬に傷を作る福永。

 突撃し相手の懐に入り込む。

 そして。


「バイバイ~」


 グレネードランチャーがファーレンの赤いコアを至近距離から撃ち抜いた。


 まるで加護を得たことで適合者の運動能力も大幅に向上しているのか、和田の動きは人間の動きを超えていた。

 それに負けじと福永のアサルトライフルも牙を向く。挟み込むようにして美琴のマシンガンも。


 鬼のような挟撃に必死に抵抗するファーレン。

 しかしファーレンの機関銃が二人に銃口を向ける頃には、もうそこには二人の姿はない。


「「遅い!」」


 二人の言葉は的を射抜いている。

 そして赤いコアも撃ち抜いた。


「戦闘終了! とりあえず星野の所に集合しましょう」


 福永の言葉に和田と美琴が頷く。


 目の前の脅威がなくなり、一安心の星野。

 そんな星野の元に三人の適合者がやって来る。

 戦闘が終わっても耳鳴りはひどいままだった。

 だけど銃声は消えていた。

 つまり勝ったということなのだろう。


「ありがとう。貴方のおかげでなんとか勝つことができたわ。改めて自己紹介をしておくと、私は福永さよ。隣にいるのが和田唯」


 アサルトライフルを得意とするピンク色の髪が特徴的な福永が名前を名乗る。

 正直、今日の任務前少し自己紹介をした以外に接点がないだけにまだ名前がフワフワしていた。それだけにありがたい。

 そしてグレネードランチャーを得意とする金色のショートヘアーが特徴的な和田唯。二人共背丈は百五十センチ前後ぐらいで、胸が大きく女性らしい肉付きの体をしている。


「荒巻隊長は……」


 近くの動かなくなった遺体に視線を向けた美琴。

 その表情はどこか悲しみに満ちていた。


「死んだわ」


「ファーレンが私たち適合者より異世界転生者を優先的に狙うことを利用して自ら囮役になったの。そのまま帰らない人となったわ。おかげで私たちは死なずに済んだ」


「そうだったの……」


「また優秀な人を失ったの……」


 その言葉に雰囲気が重たい物に変わる。

 代償を払わずして、勝利はない。

 星野は心の中でそう思った。

 いずれは自分もこうなる運命なのかもしれないと思わずにはいられない。

 他人事とは思えない現実的な未来。

 だけど元居た世界に戻る方法を知らない以上、まずはこの世界に順応して生き残るしかない。その過程でこうなることも頭に入れておく。


「だけど収穫はあった」


 福永の言葉に和田と美琴が反応して星野を見る。

 

「私たちからの強制的なリンクが可能ということは適正は問題なし。後は種から芽が出るのを待つだけ」


「えぇ。それより嫌な機械音と地響きが聞こえて来た。ここは危険。離脱可能ポイントリリト07155番に移動しましょう」


 美琴の提案に皆が頷き、移動を開始する。

 






皆様の応援お待ちしております!

ブクマ、評価よろしくお願いします!

では次話でお会いしましょう!


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