プロローグ第1章 革命後
大正から修文へと時代が移り変わってから……三年後。
私達は、乗り越えねばならない一つの戦いを終わらせた。
かつて、先祖代々虐げられてきた……私達の革命戦争を。
「…………や……やっと……終わった……」
「……じ、自由……自由なんだよな、俺達!?」
「…………そう、だ……私達は、ようやく……!!」
共に戦った仲間の一人が、消え入りそうな声を出しつつ膝をつき。
その仲間から離れた場所にいる別の仲間達は、涙を流し歓喜の声を上げる。
これまで一睡もせずに戦い続け、もう心身共に限界が近かったのだろう。
もしもここで、私達が命がけで封印した敵が復活をしたら……心が折れてしまうくらいは。
かく言う私も……いい加減、この場で眠りたい気分だった。
敵の広範囲攻撃のせいで、私達も周囲もボロボロで、寝心地は悪いだろうけど、それでも眠りたい。
それだけ敵は、強大だったのだ。
行儀が悪いだろうけど、戦場のど真ん中で眠ったっていいだろう。
「いや、まだ…………終わってない」
だけど、いざ仰向けに倒れようとしたところで……そんな私達の喜びの声に仲間の一人が水を差す。
途端に、周囲は不穏な雰囲気となった。
ようやく手に入れた幸せを前にして水を差されたのだ。
下手をすれば水を差した仲間が袋叩きに遭う。
「障壁が…………消えてないぞ」
だけど、そんな不穏な雰囲気は。
水を差した仲間のその一言で……別の意味で不穏な雰囲気へと変わる。
その場にいるみんな――私達を虐げてきた者を倒すために集まった、私を含めたみんなの目が……いや違う。
ここ数年で鋭敏になった、私達の感覚が……水を差した仲間の言葉が事実であると、嫌でも認識したからだ。
「俺達は……ここから出られない」