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91_思わぬ邂逅

 ケトラも、ダンテとタナの闘気に触れて気を高ぶらせ、うちに秘めていたマゴを体外にブワッと解き放つ。じんわりと肌が焼けるような禍々しいマゴだ。


 並の人間では、一瞬で気がおかしくなってしまうほどのマゴをまともに感じながらも、ダンテとタナの二人は剣を構え依然として闘気を絶やすことはない。


 ケトラは、周囲に強烈なマゴを放つとともに、背中から複数の腕をニョキニョキと不気味に生やすす。


「来るぞ!」

  

 タナは、ケトラの攻撃を察知し力強く叫んだ。


「ああ!」


 ダンテが答えた直後、ケトラの背中から生えた複数の腕がドリルのように先端をとがらせて勢いよく彼らを襲う。タナとダンテは、地面を蹴り飛び上がると、ケトラの腕を辛うじて回避した。


 ボン!!


 ケトラの腕の先端は、彼らがいた地面を木っ端微塵に打ち砕く。


 やばいな、一撃一撃がとんでもない威力だ。攻撃を一撃も喰らわず、あの魔族に協力な一撃を喰らわさないといけないしていた。至難の技だが、なんだろう……不思議だ。今はタナという頼もしい味方がいる。彼女がいるだけで、この窮地も乗り越えられそうな気がする。


 ダンテは、タナと2人で共闘する安心感を抱きつつ沸き上がる不安をさっと振り払い、目の前の戦闘に意識を向ける。


 彼は、落ち着いてケトラの伸びた腕に着地すると、その上を器用に駆けていく。そして、ケトラの近くまで行くと左腕の剣を上げて振り下ろそうとする。


「なかなかの度胸と気迫だ。だが、これはどうかねぇ」


 ケトラは、右手をぎゅっと握りしめる動作をすると、おびただしいマゴを右拳に収縮させる。


 なんだ、あの動作は……。


 ダンテがケトラの不審な動きを不審に感じた刹那。


 ケトラは、ダンテに向かって濃縮したマゴのこもった拳を思いっきり突き出した。


 ドォオオオオオオオオオオ!!!!!


 大気がねじ曲がったかのような轟音とともに禍々しい黒紫のマゴが拳の延長上のあらゆる物質を消失させながら放出される。


 ケトラの拳から放たれたマゴの勢いは、衰えることを知らない。ペンタゴンに立ち並ぶ幾数の建物をものともせずに破壊しどこまでも直進していく。


「これで一人」


 ケトラはニヤリと笑みを浮かべ、挑んできた強者を消し飛ばす快感に酔いしれる。だが、そんな彼の背後に、ダンテの声が響く。


「まだ終わってねーよ」


 ダンテは剣に風の力を纏わせる。剣身には、グルグルと渦巻いた風が宿る。実は、槍の力適用圏内に入ったダンテは、ケトラの拳から、マゴが放たれた際、槍の力を行使し瞬間移動しケトラの背後に、回り込んでいたのだ。


「瞬間移動で、背後に回り込んだか、だが、まだまだあまいね」

 

 ケトラは、そうつぶやくと背中をぐじゅぐじゅと動かして、何かがひょっこり顔を出す。


「やは、1000年ぶりだね。覚えてますか、私のこと?私は、覚えてますよ、あなたのことを、ダンテ」


 嘲る笑みをこぼしながらダンテに話しかける顔に、表情を歪めダンテは、呟いた。


「クロノ……」


 





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