表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

81/136

81_重要な記憶

 必要なピュアが溜まり、ルーシェはシールドを展開する。神殿の試練の激闘でボロボロになったダンテの身体が癒されていく。


「ありがとう、ルーシェ。おかげで、元気になったよ」


 ダンテは、自分の傷を治してくれたルーシェに頭を下げて感謝の意を示す。


「そんなに感謝されるようなことしてないわ。頑張ったのはダンテだし。私は、近くで、見ていただけだから……」


 ルーシェは、後ろめたい気持ちを少しにじませながら、ほほ笑んだ。


「そんなことない。ルーシェがいなかったら、試練は乗り越えられなかったしな!行こう、扉の向こうへ!」


 ダンテは、ルーシェの手を握り、メイテツの力と記憶が眠る扉の先へと向かった。


「ありがとう、ダンテ……」


 ルーシェは、ダンテにつれられながら、小さな声で呟いた。


 扉の向こうへ行くと、真っ白な光を放つ玉が宙にふわりと浮いていた。


 あれは、メイテツの記憶と力……。


 早速、ダンテは見覚えのある光の玉に、そっと触れると、光の玉が急に光を強まっていく。ダンテたちは、たちまち眩い光に包まれる。


「ま、まぶしい!?」


 ルーシェは、光に目を細めながら初めて見る光景に困惑する。その一方、一度、体験しているダンテは、落ち着いた様子で、光の方に手を伸ばし続けていた。


 周囲を照らしていた光が消えると、ダンテは、左腕のメイテツに話しかける。


「メイテツ、何か思い出したか?昔のこと」


「……」


 ダンテの問いかけに黙り込むメイテツ。どうやら、神殿に眠る光の玉に触れて失っていた記憶を思い出したようだが、どこか神妙な様子だ。


「メイテツ……ダンテの左腕にいる子のことね。私には、声が聞こえないから、この子の言っていることとか分からないけど、何かあったの?」


 ダンテの戸惑う様子を見て気になったルーシェが、彼に心配そうな顔を浮かべて尋ねる。


「メイテツが何か思い出したみたいだが……考え事をしているだろうか。彼女の返事が返ってこないんだ」

 

「えっ、そうなの!?メイテツがあなたの左腕からいなくなってしまったとか」


 ルーシェは、今考えられる最悪のケースを口にする。それを聞き、ダンテは、眉を顰め、真剣な表情を浮かべる。


「分からない。でも、こんなこと初めてだ。まだ神殿は残っているし、すべての記憶と力を取り戻したわけじゃない。今いなくなるなんて、考えにくいが」


 ダンテが、考え込んでいると、申し訳なさそうな声が彼の脳内に響いた。


「心配させてごめんない。ダンテ。私、考え込んでたの。とても大切なことを思い出したの。あの高く聳えるダンジョンについて、そして、これから、訪れる災厄について」


 メイテツの声に、パッとダンテは、笑顔を浮かべ元気な声で叫んだ。


「メイテツ、良かった!ちゃんと左腕にいてくれたのか、心配したよ。これから訪れる災厄ってなんなんだ?考え込むほどのことが、これから起こるってことなのか?」


 メイテツは、少し間をおいた後、彼の問いに答えた。


「ええ、時間がない。一刻も早くダンジョンを攻略しないといけない。そうしないと、ダンジョンの周囲にいる多くの生命が失われることになる……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ