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48_球体

「ダンテ、奥からものすごいマゴを感じる!」


 何本もの足を動かしながら天に向かって伸びる謎の生命体を眺めていると、メイテツの声が響く。


「ああ、魔物の屍の山からだ!考えてみれば、魔物は、倒したら光粒子となって消えるはず。なんで屍の状態のまま残っているんだ……」


 謎の生命体が蠢く場所の奥にあるのは、テラが相手をして倒した魔物の屍の山だ。その屍の一体一体から、同じムカデ型の生命体が姿を現した。


「な、なんか気持ち悪いな……」


 幾数ものムカデ型の生命体が飛び出しているおぞましい光景を目の当たりにし、ダンテは不気味さを感じた。


「あの生き物、お互いに身を寄せ合って何かしようとしている」


 メイテツの言うように、ムカデ型の生命体はお互いに身を寄せ合って、複雑に細長い身体を絡ませていた。次第に、真っ黒な球体へと形を変えていく。


「球体……真っ黒な球体が出来上がったぞ。異様な威圧感を感じる」


 ダンテは、宙に浮かぶ真っ黒な球体から放たれる禍々しい気配に、自ずと体に緊張がさっと走り抜ける。


 この威圧感……カカと同様もしくはそれ以上のものを感じる。まずいな。もうほとんど戦える力が残っていない。


 球体を眺めていると、真っすぐ横に線がはいって、目のようなものが現れた。


 グサッ。


 直後、ダンテは胸の辺りに強烈な痛みを感じる。

何が起こったのか分からずダンテは、ゆっくり視線を痛みが走る胸に向けた。


 攻撃されたのか……いつの間に。


 黒い球体から、ダンテの胸に向かって真っ直ぐ黒いものが伸びている。その先端は、ダンテの胸のあたりに突き刺さっていた。


 ダンテは油断はしていなかった。禍々しい力に触れて、むしろ警戒心を高めていた。にもかかわらず、目の前の球体の攻撃に反応できなかった。球体の攻撃は、ダンテの認識できる速度を遥かに超えていたのだ。 


「ダンテ、お前を人間のままにしておくには惜しい」


 黒い球体から声がしたかと思うと、ダンテの胸まで伸びている黒い部分を通じてマゴがドバドバと流れ込む。

 

 やばい、体内に何かが流れ込んでくる!?


 すかさず、左腕を剣に変形させ、球体から伸びる黒いものを断ち切るが、手遅れだった。


 流し込まれたマゴがダンテの身体を蝕んでいく。ダンテは悶絶した声を轟かせながら、地面に倒れ込む。


 なんだ、何をされた……。


 全身が焼けるように熱くなり、心臓が狂ったように鼓動する。彼はぎゅっと、地面を握りしめ身体の苦痛になんとか抗う。


 そんな彼の様子を、球体の瞳は、観察対象を眺めるように平然と見つめていた。


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