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45_想いを一つに

「「行けぇええええええええええ!!!」」


 ダンテとメイテツの声が重なり、想いが一つになる。

 

 今まで、ダンテは一人で戦っている体感が強かった。今、改めて彼女の存在を感じ、今までにない一体感を生み出す。


 ダンテの放った風の弾丸は、彼らの強い気持ちが乗っかり、今だかつてないほどの威力を発揮する。空気の断層を軽々と突き抜け、カカの方に直進した。


「こんな人間ごときに負けてなるものか!私は……魔族だ。人間を超えた存在なのだ。負けることなど私のプライドが許さぬ!」


 カカは、背中からさらに四本の腕を生やし合計六本の手を使って、ダンテの放った風の弾丸を素手で受け止めようとする。


「うぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!うっ、うおおおおおおおおおおおおおぉおおおおおおお!!!!うあっ!?」


 彼は、六本の手で受け止めとするも、風の弾丸の勢いは止まらない。それどころか、より勢いを増し、カカの手を貫いていく。 


「ば、バカな、こんなことはありえない!!!!」


 カカは、ダンテたちの力を侮っていた。人間の力は、到底、魔族である自分には届く訳がないとたかをくくっていた。


 カカは、自分の身体が、風の弾丸に貫かれていく最中、ようやく気づく。


 己の力を過信し、驕っていたのは、自分自身なのだと。


 カカの体内でマゴが虫のようにひとりでに蠢く。


 今まで感じたことのない、その奇妙な感覚に、カカは顔を歪ませると同時に、忘れていた人間だった頃の記憶が呼び起こされる。


「あいつ、初期魔法も使えないだって……」


「へぇ、嘘ぉ。そんなことあるんだ」


 どうして、どうして私は、皆が当たり前にできることができないのだ……。


 カカは、魔法の才能がなく、通っていた魔法学校では、自分の非力さに拳を握り打ちひしがれる日々の連続だった。周囲からは、軽蔑の目で見られていた。


 だが、そんな日々の中でも唯一、彼の虚ろな目に光が灯る瞬間があった。


「カカ、一緒にご飯食べに行こうぜ!」


 そんな声に顔を上げるカカ。視界に映ったのは、親友トトの姿だった。近所に住む友達で、昔からよく遊びをする仲だった。


「ああ!」


 目を輝かせ、カカはトトに向かって、にこりと微笑みを浮かべた。

 

 ーーだが、自分の人生を大きく狂わせる出来事が待ち受けていることをこの時の彼はまだ知らなかった。


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