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44_僅差の接戦

「罪を生まれながら持っている……。どういうことなんだ、それは?」


 ダンテは、カカの言葉の意味を掴みきれずにいた。また、同時に彼は彼なりの信念に基づいて行動しているのようにも感じ取った。


「今から死に行く人間に、それを語る必要もあるまい」


 腕組をしながらそう言うと、カカは足部の筋肉を隆起させ地面を蹴ると、一気にダンテとの距離をグッと詰めた。彼は拳を握り、ダンテの顔面に向かって殴りかかる。


 目で追えなくはないが、気を抜くとやられる。


 カカの拳の軌道を読み紙一重のところで頭を下げて彼の拳を回避すると、ダンテは即座に大砲型の左手をカカの身体に向けた。


 大砲スタイルの攻撃なら、さすがのカカにも、致命傷を与えられるはずだ。


 ダンテはすぐさま筒状の左手に、ピュアを集め、風の力に還元する。だが、カカは、そんなことはどこ吹く風で笑みを浮かべている。彼の出方を予期していたような顔だ。


 やはり、そう来たか。


 カカは、あえて軌道の読みやすい殴打を行うことで、大砲スタイルによるダンテの反撃を誘導していた。


 カカは、左手にある口から、事前に空気を取り込み、右手の口からほぼ時間差なく衝撃波を放てる状態にしていた。それに対し、ダンテは大砲にピュアを集め風の力に還元するという過程を踏む必要があった。


 この時間的優位を利用し、カカはダンテの先を行った。


 死ぬ。


 ダンテは、カカの右手の口が向けられた時、直感的に自らの死を感じた。もはや、打開策を考える暇もない。彼の頭の中は、直ぐ目の前に迫る死の存在から逃げるように真っ黒に染まる。


「ダンテ、私もいる。忘れないで!」


 真っ黒な頭の中に、優しい声がポチャリと響いた。その瞬間、真っ黒だった彼の頭の中が、真っ白に透き通る。


「ぐっ、なに!?」


 カカは衝撃波を放つ直前、突如、横から衝撃を受けたかと思うと訳も分からないまま、突き飛ばされる。その衝撃でダンテに向けていた手の向きは変わり、衝撃波は上空に向かって勢いよく放たれた。


 実は、カカが攻撃に転じる瞬間、メイテツは危機を感じ取り、ひとりでに彼の左腕からニョキニョキと生えると、カカの脇腹のあたりに黒い身体をしならせて攻撃を加えていたのだった。


「ありがとう!メイテツ。そうだ、俺は一人じゃない。君もいるんだ」


「ええ、今がチャンスよ。あいつを倒しちゃって、ダンテ!」


 メイテツの元気のいい声が響く。それに答えるようにダンテは一言叫んだ。


「ああ!」


 カカは、変則的なメイテツの攻撃にさほどのダメージを負ってはいなかったが、姿勢が崩れ隙だらけの状態になっていた。


 ここで決める。メイテツがチャンスを作ってくれたんだ。

 

 ダンテは、風の力を溜め込んだ筒状の左手を向け、カカに照準を合わせると、風の弾丸を放った。

 

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