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38_僅かな希望

 風の力を使用しても、さすがに巨大な世界樹の上方まで行くのに、数十分ほどかかった。


 そういえば、風の力によるマナの付与ってどれくらいの時間、有効なんだろうか。


 ちょうどエウノキ村の近辺まで上昇した頃、そんな疑問がダンテの頭にふと過った。


 その直後だった。狙ったかのように、彼の身体に、宿った光がパッと突然消えた。


「ひ、光が消えた!?」


 素っ頓狂なダンテの声とともに、吊り縄が切られたかのように宙に浮いていた身体が急に落下し始める。


 どうやら、風の力によるマナ付与の持続時間は15分ほどらしい。落下し始めるが、ダンテは気持ちをすんなりと切り替えて、冷静に状況判断をする。


 エウノキ村まであとちょっとだ。このまま、エウノキ村に着地してやる。


 落下しながら、黒煙があちらこちらから伸びているエウノキ村の方を眺め思考を巡らせる。そして、ダンテは、エウノキ村に自分の背中を向け、前方に両手を出す。


「メイテツ、風の力を思いっきりぶっ飛ばそう!」


 ダンテは、現在、黒い鎧となっているメイテツに向かって言った。


「そういうことね!早速、風の力をうまく使いこなせるようになってきたじゃない」


 メイテツは、彼の思考が伝わり何をすべきかをすぐさま理解した。メイテツは、前に突き出した彼の両腕に纏わりつき、緑に変色する。


 ダンテは、目を瞑り思いっきり風を生み出すイメージをすると、彼の両手からものすごい勢いで、風を放出した。


 風の勢いで、真下に落下していた彼の身体は、エウノキ村に方向転換し綺麗な軌道を描きながらぶっ飛んでいった。


 風の力でエウノキ村までたどり着くと、地面に落下する直前。


 ダンテは黒のメイテツによる変形の力を使用し、メイテツをクッションにして落下の衝撃をうまいこと相殺する。世界樹からの落下時に、使ったテクニックをここでも活かすことができた。


 ここは、ほんとにエウノキ村なのか……。


 エウノキ村に到達したのも束の間、目に飛び込んできた村の悲惨な光景に佇み息を呑む。

  

 立ち並んでいた村の建物は、魔物たちの襲撃によって崩壊し、見るも無惨な外観になっていた。


「村の人々はどこに行ったのだろうか。それに、魔物の姿もない」


 ダンテは、村の様子に違和感を感じる。そんな時、彼は、感じたことのあるマナの蠢きを近くで感じる。


 このマナは……テラ!?


 近くで、感じたテラのマナは今にも消え入りそうなごく微小なマナだった。それは、テラがとても危険な状態であることを意味していた。


 テラ、今、助けに行く。


 ダンテはとてつもなく嫌な予感がして、急いでテラのマナの感じる方向へと駆け出した。


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