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21/136

21_盾

「天……」


 ハンナは、ラオムの口から出た組織名に聞き覚えがあるようだ。


「聞き捨てならないな。俺達がこのまま、この村を君の好き勝手にさせる訳ないでしょ」


 テラは、剣を構えラオムに敵意を向ける。


「うるさい蝿だ。次はお前から消すことにしよう」


 ラオムは、眉間に寄せて苛立ちをあらわにすると、テラの近くに黒い水晶玉が突如生成されて光を帯び始める。


 まずい。


 ドオーン。


 間髪入れずに水晶玉から黒い光がテラに向かって放たれる。幸いにも、テラは、水晶玉からの光線の軌道を予測し、紙一重のところで回避していた。


「ヒヒヒヒ、なかなかやりおる。だが、水晶玉は一つとは限らぬぞ。ほれ、これならどうだ」


 ラオムは楽しそうにニヤリと笑うと、人差し指をぴんと立てる。


 テラははっとなって顔を上げると、周囲から一斉に複数の水晶玉がふわりと姿を現す。


 この数から攻撃されたら、さすがにひとたまりもない……。


 ラオムは、テラの焦る様子を見てほくそ笑み言った。


「消えるがいい」

  

 複数の水晶玉がピカッと光り、今にも漆黒の光線が放たれようとした刹那、声がした。


「待て。まだ、俺の相手が終わってないだろ!」


 そんな声とともに、ラオムに向かって、鋭い切っ先が勢いよく伸びる。


 なに!?


 ラオムは、彼の想定していなかった展開に戸惑う。両手で持っていた水晶玉を破壊されそうになったため、水晶玉を庇う形で、宙を瞬時に動く。


 黒色の切っ先がラオムの肌を掠め、僅かに血液が舞う。ぐいと伸びていた切っ先は、スルスルと縮んである男の左腕へと戻って行く。


「ダンテ。生きていたか。小賢しい。大人しく消えておけば良いものを!」


 ラオムは、眉間にシワを寄せ、こめかみのあたりに血管を浮かび上がらせながら、視線の先にいるダンテを睨みつける。


「しつこさだけが俺の取り柄なんでな。お前の好きにはさせない。ここから退場するなら今のうちだ」 


 ダンテは、悠然と片手の剣を構える。


「ほざくな。青二才が!一回、運良く攻撃を回避したくらいで調子に乗るなよ!この攻撃で、確実に消滅させてやろう!!!」 


 ラオムは、水晶玉に両手をやり魔力を込める。すると複数の水晶玉が目が眩むような禍々しい黒色の光を放つ。その直後、無数の黒色の光線が無慈悲にダンテのもとに発射された。


 ダンテ。


 ダンテの頭の中で、メイテツの声が響く。


 ああ。


 ダンテは、メイテツにそう返事をすると、頭の中で大きな盾を鮮明にイメージする。すると、左腕のメイテツが彼のイメージ通りの形に瞬時に変形した。


 さらに、盾の姿と化したメイテツに自らのマナを纏わせることで、より強靭な盾を作り出していた。その盾で、水晶玉から放たれた黒色の光線を受け止めガードする。


「なるほど、先ほどもそうやって私の攻撃を防いだわけか。やはり邪剣の力は、厄介だ。ここで消さねばならぬ」


 ラオムは、大きな盾を持つダンテを目を細めながら見つめ観察する素振りを見せる。

 


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