表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小椋夏己の創作ノート  作者: 小椋夏己
2021年 12月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/134

ミーヤのこと・その4

※エッセイは「1000文字から1100文字で」と決めているのに、間違えて小説の「2000文字から2100文字で」の長さで「その3」を投稿してしまいました。分割して後半半分を「その4」として投稿しなおしています。

 申し訳ありませんでした。

 侍女は諦めて村に帰りたいと思ったミーヤですが、神官様は、


「うちの村から侍女が選ばれるなんて、なんという誉れか!」


 と大喜びしてくれるし、おじいさんも、


「無理せず嫌だった帰ってきていいんだから」


 と言いながらも、気持ちよく送り出してくれたもので、帰ると言い出せず宮に残り、そのまま侍女となりました。


 もちろん、大部分は「どうせ落ちるし」という気持ちでしたが、ほんのわずかですが、やっぱり侍女というものに憧れる気持ちがあったのも事実です。帰りたいと思う気持ちも確かに大きかったのですが、やはり通った事実はうれしかったので、帰ることはなかったんでしょうね。


 今の日本だったらいなかに住む女子高生が、「スターに会えるかも」と、日本ではなく、ハリウッドのオーディションを受けてみたら通ってしまった! ぐらいの感じだと思ってください。まあ、そのぐらいすごいことでした。

 これを断るなんて、とてもとても言い出せることではないでしょう。


 おじいさんは、もしかして合格してしまったらもう一緒に暮らすことはできないと思い、本心では引き止めたかったのですが、それでもミーヤがいつもキラキラしながら神殿のお手伝いをしている姿を見ていたのと、娘夫婦が若くして亡くなってしまったことから、


「人間は年は関係なくいつどうなるか分からない。ミーヤにやりたいことがあるのなら、その気持を尊重してやりたい」


 そう思って送り出してくれました。


 もちろんミーヤにもそのことを言ってあります。

 それでミーヤもおじいさんの気持ちを知っているだけに、合格したけど村に帰りたい、とは言い出せなかったのでしょう。


 それから八年、一生懸命宮の侍女として勤め、トーヤがシャンタリオに流されて来た頃には「小物係」を経て「衣装係」となっていました。


 そのまま宮で静かに時が過ぎて、そのうち「誓いを立て」て、一生を宮で過ごすのだろうと思っていたら、ある時、託宣の地に出向かれるマユリアが廊下をお通りになる時、他の侍女たちと一緒に並んで片膝をついて座り、「正式の礼」を取ってお見送りしていたところ、


『このオレンジ色の侍女をカースへ同行します』


 いきなり頭上からこの世のものならぬ美しい女神の美しい声でそう告げられ、そのまま嵐の中に巻き込まれていくこととなりました。


「本当に、何がなんだか分かりませんでした」


 そりゃそうですよね、元々が小さないなかで暮らすごく普通の少女が、ハリウッド映画に抜擢されたと言ってもその他大勢でコツコツがんばっていたら、大プロデューサーの作品の主演に選ばれた、よりももっともっと大抜擢、みたいなものですから。

※2021年12月17日初回掲載

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ