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小椋夏己の創作ノート  作者: 小椋夏己
2024年  8月
120/132

作品の旬

 現在「小椋夏己の盛り合わせ」で以前書いた短編をリメイクしながら一つのシリーズにまとめて再公開しています。


 この作業がなかなか楽しいんです。特に書いた時に文字数制限があった作品に色々と背景なんかを書き足すのは「この時はこうだったかも」「このキャラはこんな生い立ちだったかもな」と、あらためて新しい作品を書いているような気にもなります。


 元々はバラバラにあっちこっちに散っている主に短編を、


「このまま忘れ去られるのはさびしいなあ、かわいそうだ」


 という気持ちから始めた作業ですが、いや、やってよかったです。


 それと、作業をしていて面白いなと思うのは、


「やっぱり書いた時の時代背景って作品にも影響するんだな」


 と気がついたことです。


 例えば、世界的に自粛自粛の時代だった時、はっきりとそういう背景で書いている作品もあれば、ちらっと関係したことが出てくることもあります。今もまだ、完全にあの状況から自由になったわけではないし、あの病がなくなったわけでもないけど、やっぱり全然状況が違いますよね。


「そういやこうだったわ、当時」


 ちょうどその頃から短編を書き始めたもので、あっちこっちに出てきます。


 それから、皆既日食と天王星食が一緒にあったとか、こんなその時だけの自然のイベントみたいなのも、読み直して「あったあった」と思い出しました。


 そんな風に自分で書いたのを今読み返し、リメイクする作業は多少時差があっても、


「そうだったわー」


 で済むんですが、少しゆとりができて他の方の作品をよく読ませていただくようになって気がついたことがあります。


「あ、この作品、そんなに前に書かれてたのか!」


 読んでコメントとかさせていただいてから「うわあ」と思うことがありました。


 幸いにして、今のところコメントをつけさせていただいた方がもう筆を折っていたということがなく、お返事をいただけてほっとしてるんですが、書いてらっしゃったのが何年も前だということに、全然気が回っていませんでした。


「え、そんな前の作品に?」


 と、驚かせてしまったかもとちょっぴりだけ反省。でも反応いただけたので、面白いと思ったら続きを遠慮なく読ませていただこうと思っています。


 そしてそんな中でこんなことがありました。


 ある方が「ファンタジーには長いし思いつきで手を出すもんじゃないですね」と書いていらっしゃったので、


「へへへへ、思いつきで長いの書き続けてるやつがここにいますよ~」


 みたいにコメントしたところ、なんと、その時にほめていらっしゃった作品が「黒のシャンタル」だったんです。いや、びっくりした。その部分をコピペしてくださって「それ小椋さんのですよ」と言われて初めて気がつきました。言われてみたら確かに当てはまる。うれしいような、恥ずかしいような気持ちで血圧と体温が上がったみたいです。


 そのエッセイのその回、これを書いている今から2年2ヶ月前に書かれておられましたが、私の頭の中には今の時空軸しか存在していなかったので、てっきり今売ってる本の話だとさらーっと流してしまっていました、申し訳ない。言われてみてれば、その頃そういうエピソード書いてた書いてたとぶんぶんと首を上下に振ることになりました。本当に注意力となんというのか、なんかの力が足りないおつむなんだなと呆れます。


 でも、本当に本当にうれしくて、感激しています。おかげで、


「よっしゃーもっとがんばるぞ!」


 という気持ちになれました。ありがとうございます!


 こんな風にちょっとはずしてしまうと恥ずかしいことにもなりますが、そういうその当時のことを織り込んで書いたエッセイや作品も、なんとなくタイムカプセルを開けるような気持ちで読めて楽しいですね。書く時にはやはり「旬」というものがあると思いますが、その時期を外して干し柿みたいになったのを、ちょっとずつ味わうのも楽しいです。なので、エッセイや短編にはこれからも「旬」を入れ込んでいこうかなと思っています。

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