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小椋夏己の創作ノート  作者: 小椋夏己
2024年  8月
118/132

文字数制限と蛇足

 先月から始まった「小椋夏己の盛り合わせ」ですが、今月から「カクヨム」での「お題に挑戦」で書いていた短編を、少しいじって順番に公開しています。


 この「お題に挑戦」は、


「2000文字以内で」


 との条件がついていたんですが、連載中の「黒のシャンタル」シリーズも短編集の「ア・ラ・カルト」も、どれも1話を、


「小説家になろうのエピソード作成ページで2000文字から2100文字で」


 と決めて書いていたので、それをほんの少し短くするという感じで結構楽に文字数制限を守って書くことができていました。


 ほんの100文字で、


「ああこれ、もうちょっとだけこう足したかったな」

 

 と、思うこともありましたが、大抵の場合、表現をちょっと変えたり、日本語の場合は漢字を使って文字数を削るなんてことも可能なので、そんな小細工を弄してなんとか条件をクリアできていました。日本語バンザイ!


 今回「盛り合わせ」として公開するに当たり、


「こういう背景をもうちょっと入れたらどうだろう」


 と、セリフや情景描写を足したり、表現を変えたりして文字数を意識せずにリニューアルして発表しています。


 ですが、この増えた分の文字数って、場合によると、


「蛇足」


 になってないかがちょっと気になったりもしています。


 私はどちらかというと、書いていると文字数が増えてしまう傾向にあるもので、文字数制限のある企画に参加させていただくのは本当にいい経験だったと思います。


 一番思ったのは、


「2000文字以内ということは、たとえば5文字で終わってもオーケーなんだな」


 ということ。実際には5文字で終わるというのは不可能とまでは言いませんが、まず無理だと思います。でも「以内」ってことはそれでもいいんですよね。自分で「2000文字から2100文字」と制限してると「1999文字」はアウトということになり、短い場合には無理やり色々足してしまったりの場合もありました。


「アルジャーノンに花束を」


 という名作がありますが、あの作品には「中編版」と「長編版」が存在し、私は最初に読んだのが「中編版」だったんですが、後から「長編版」を読んだ時に前の方がよかったなと思ったんです。なんというか、自由度が高かったような。行間を読むとでもいうんでしょうかね、そんな遊びがある分深く読めたような気がしたんです。


 調べたところ、書かれた順番は「中編版」が先で、約7年後に「長編版」が出ていました。つまり、私が今「盛り合わせ」に発表しているのは、もちろんアルジャーノンのような名作ではないですが、同じ過程を経ているということになります。

 

 正直、今でもアルジャーノンは「中編版」の方がよかったと思っています。なので、今やってる自分の作業、結果的に文字数を増やしている作業って、いらないのかも知れないとも考えてもしまうわけですね。


 ですが、やっぱり当時と今では多少書き方も変わっているわけですし、今の自分が発表するなら、やっぱり少し手を入れたい。


「無駄で蛇足な作業かも知れないし、後年読み返したらやっぱり最初のほうがよかったと思うかも知れないが、まあそれが今の自分なんだからいいか」


 そう考えてちまちま作業していますが、さて、読んでくださった方はどういう印象を持ってくださるんだろうなあ。 

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