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小椋夏己の創作ノート  作者: 小椋夏己
2024年  7月
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シャンタリオ王家のこと・その5

 これまで4回に渡って続けてきたあの国の王様一家のことですが、何しろ親父の子だけでも山ほどいるのでさすがに全員の紹介はできません。


「あたりまえだ!」


 おっと、前回笑顔のお姉さんにお仕置きされた誰かさんが言ってますが無視します。


 なので今回でラスト、親父と揉めて妙な覚醒した今とっちめられてる誰かさんと同じく初恋こじらせた息子の奥さんについてちょっと書いて締めくくろうと思います。本当はこの人たちの間の子どもとか、親父の母親とか他にもいるんですが、これ以上はいらんでしょ。


 とにかくこの人は大人しい人です。そしてごく普通の人。もしもリュセルスの街中にでも生まれてたら、ごく普通に成長してごく普通の大人になって、ごく普通の家庭を持ったんじゃないかなという人です。そういう人ですが運良くか悪くか分かりませんが、そこそこ力のある貴族の家に生まれてしまい、しかも大伯母が王妃なんてものになってしまってるところから、自分も皇太子妃なんてことになりました。


 前回書いたんですが、他にも有力貴族がまだまだいまして、1つの家にばかり力が偏らないように、同じ家系から続けて二代王妃なんてことは普通はほぼないんです。全くないことはないですが、意識して「じゃあ今度こっちからね」と暗黙の了解で次のお妃様を選びます。

 ところが、この時はたまたまそっちの家系に生まれるのが男の子ばっかり。もちろん庶子、つまり正妻さんじゃない人にはいるんですが、王様のお妃様になれるような立場の人のところに生まれてきたのが男の子ばっかりだったんです。


「年の差があってもこっちから選んでほしい」


 と思ってたそっちの系統の方ですが、そうしてると皇太子が年取ってしまうし、その親の時みたいになかなか男の子が生まれなかったらちょっと困る、そう思ってるところに皇太子の母が、


「じゃあうちの親戚から選ぶから」


 と言い出して、この人に決まりました。


 もしも、違う家系の方に女の子が生まれてたら、普通の貴族の奥様として平凡に生きてたかも知れないんですが、そういうわけで13歳で皇太子妃となりました。

  

 でも選ばれた理由が「大人しい、姑に逆らいそうにない」ということで、その通り大人しい人で、あまり自分の意見を言うこともない。こちらの家系には何人か女の子が生まれてたんですが、そこを評価されて選ばれるぐらい大人しい人でした。


 ですが今、旦那がえらいことやっちまったもので、自分でもちょっとだけ物を考え始めています。周囲はみんな「この妃は特に意見もないだろうし、言う通り『はい』と言うだろう」と頭から決めつけて、この人にも変化があるということを、誰も考えもしないし、気にもしていません。もちろん旦那も。

 そう考えるとかなりかわいそうな人だと思いますが、この先のことはもう少しだけ内緒にしておきますね。


 ということで、あの一家のことはとりあえず今回で終わりです。また何か違う要素が出てきたら書くかも知れませんが。

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