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小椋夏己の創作ノート  作者: 小椋夏己
2024年  7月
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シャンタリオ王家のこと・その2

 「その1」を公開したところ、ずっと「黒のシャンタル」を読んでくださってる方から「この一家やな感じ」というコメントをいただき、やっぱりそう思うよね、とニヤリとしていまいました。


 今のところほぼそういうシーンにしか出てきてませんので、さもありなんと思います。それに今は二千年の歴史の中で初めて「えらいこっちゃ!」なことが起きてる時代ですので、ますますそうでしょう。それに元々「王様の家庭」なんてのは普通の家とはちょっとばかり違いますので、普通に恋愛して普通に結婚して普通に家族わきあいあい、というわけにもいきません。そのへんの裏設定をちょっと説明して、少しだけ「そりゃしゃあないかもな」という部分もできれば幸いです。


 と言いながら、もちろん書いている私も「王様の生活」だの「貴族の生活」だのってのはほぼ分かりません。というか「ほぼ」よりもっと「全然」知りません、当然ですが。「1円でも節約してたまにちょっと楽しいことできればいいな」ぐらいの庶民の生活から見たら、こういう人たちにはなんの悩みもなさそうに見えて、実はそうではないんでしょう。ということで、色々な読み物や記録、そんなことから想像して作るしかないです。そして、こういう家族という形になってます。


 まず一番偉そうで本当に一番偉い親父の国王ですが、前国王の長男として生まれ、特に問題もなく普通に皇太子となって普通に父親の跡を継ぎました。国王としては順風満帆(じゅんぷうまんぱん)のスタートと言えるでしょう。


 結婚もこの国の慣例として結構早くしています。幼い頃に婚約した後の皇后と十代後半で結婚。このあたりも普通のことです。王家の跡継ぎですからね、自分で好きな人を選んでどうたらってのはない。そして本人もそれを普通のこととして成長してきました。


 ただ、ここでちょっとばかり計算違いがありました。


「なかなか子どもができない」


 奥さんはシャンタリオの結婚許可年齢の13歳でお輿入(こしい)れしてきた健康なご令嬢です。でもこういう場合、問題にされるのはやっぱり妻の方なんですよね。やっぱりそういう感じに言われます。ですが、それと同時に皇太子に子どもを作る能力があるのか、みたいにも言われます。すんなり跡継ぎになってますが、多少は政争のような物が裏ではあるんです。王家ではありませんが、ルネサンスの頃のイタリアの逸話(いつわ)で似たような話を読んだことがあります。まあ、血を(つな)ぐのがお仕事の人たちですから、ありえることでしょう。


 そして側室を置いたところ、すとんと子どもができました。それで皇太子妃に子どもを作る能力がないのなら、妃を交代させるかという話が出た頃、やっと子どもが生まれるんですが女の子です。

 こういう家のお后とか奥様って「男の子を産んでなんぼ」という部分があるので、お后からすると男の子が生まれないと死活問題なのです。それでがんばって産むんですが、3人連続女の子。

 日本の昭和天皇御夫婦がこんな感じでした。当時はまだ今とは違いますから周囲が「御側室を」とお薦めしたのですが、昭和天皇は「(ちん)良子(ながこ)一人で良い」とおっしゃって、幸いなことに上皇陛下とその弟君の常陸宮様をご出産になられました。

 

 ですが、この王様は違います。どっちかというとこっちの方がパターンとしては多いと思います。一人でも自分の血を継いだ子どもは多い方がいい。シャンタリオでは皇太子は正妃から生まれた子しかなれないので、下手したら弟に王座を譲らないといけないけど、自分の血族を増やしておいたら色々と役に立つかも知れない。そういう感じで最初はそこそこいい家のご令嬢で、わけありでちゃんとした結婚しにくい人を選んでたんですが、幸いにして皇太子とその下に弟君も生まれました


「やったー自由だ!」


 と思ったかどうか分かりませんが、それまで女性を色々周囲に置いたことから、それがすっかり気にいってしまい、それからは家柄とか関係なく、「あの子いいじゃん」という女性を集めてたら大きな花園になってしまったということです。


 その結果、


「自分は神と同じぐらい偉い国王だ」


 と、女神であるマユリアも望むことになります。


 これまでにもないことではなく、歴史上は人に戻ったらそのまま後宮に入った方もあるのですが、当代マユリアはご存知の通りどえらい美女で、そして色々な秘密を抱えている方なので、なんやかんやとややこしくなっています。

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