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小椋夏己の創作ノート  作者: 小椋夏己
2024年  7月
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「黒のシャンタル第一部」について・その9

 正式に次のシャンタルである「次代様」の生みの親の「親御様」が宮に入ったことが発表され、ご出産までの間は王都リュセルスは封鎖される時期に入りました。

 

 その中でトーヤはダルの手を借りて脱出の準備を始めますが、いくつか問題が出てきます。


 一番大きな問題は、


「あんな目立つ子どもをどうやってシャンタル宮から連れ出すのか」


 ということです。


 シャンタリオは実は日本のように全員が黒髪、黒い瞳、そして白い肌の民族です。場所によっては海外との交流もあり、そうじゃない外見の人もいるにはいるんですが、特に王都では住民は全員そんな容貌です。それなのに当代シャンタルはそうじゃない。


「銀色の髪、褐色の肌、深い緑の瞳」

 

 なぜだかそういう人だったりします。

 

 代々シャンタルは純粋なシャンタリオ人からしか選ばれません。


「このシャンタル、もしかして間違えて選ばれたんじゃないの?」


 そう思っても仕方がない見かけですが、間違えて選ばれたのではない証拠に、民たちに「黒のシャンタル」と呼ばれている当代シャンタルは、ものすごくたくさん託宣、つまり神様のお告げをしてくれて、しかもそれがことごとくいい結果を出す。歴代の中でもめちゃめちゃ力のあるシャンタルなので、正真正銘のシャンタルと思うしかない。


 シャンタルが住んでいる「奥宮」というところにいる子どもはシャンタルしかいない。しかもこの容貌。シャンタル目立ちます、めちゃくちゃ目立ちます。それが大事な交代の日に「ちょっと外まで」なんて出られるはずがない。


「一体どうやって宮から連れ出せばいいのか」


 考えた挙げ句、一人の女性が浮かびます。


「先々代のシャンタルが奥宮の侍女として残り、シャンタルの親代わりになってる」


 なんとか話をつけて会ってみるんですが、


「連れ出す心配はしなくていいです」


 と言われてしまう。


 もちろん理由も話してもらえませんが、そのへんは話せない事情があるわけで、それがまたなんともえげつない理由でして、後々分かってトーヤは激怒するわけですが、この時はどうしようもないので連れ出すことは置いといて、色々と準備を整えていくしかありません。


 そうこうしてる間に日は過ぎて、無事に次のシャンタルが誕生し、封鎖も解かれ、交代の日が定められます。そしてやっと色々な秘密を教えてもらえるんですが、そこで知るんですよね、トーヤが激怒するえげつない理由を。


 その結果トーヤはある条件を出し、


「その条件が満たされなければ俺はシャンタルを見捨てる、そしてこの国を出て二度と戻らない」


 と宣言することになります。


 その決意は本当につらい決意で、もしも見捨てることになるとトーヤ自身がひどく傷つくことになります。


「条件をクリアする可能性があるから一応準備だけはするが他のことは知らん」


 ふれくされてノータッチになるトーヤ。


「トーヤのためにも自分たちがその条件をクリアさせる」


 ということで、ミーヤとダルが大活躍することになります。

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