これが第一話
それはカプセルで来た。
「アトラクション?」
地球合同軍の新兵募集の見学会に参加した高校卒業予定のナナミ君は、アリゾナ基地で、大気圏突入カプセルからあらわれた人型兵器を見た。
「月面軍のオルガス型ムス」
高校にリクルートに来た若い女性兵士マルチナが、
「敵襲ってこと」
月に移住したセレブたちと地球在住の庶民との間で戦争中だった。
総動員令で徴兵されるより正規の軍人になったほうがお給料が高いかなと思ったのが3割、マルチナさんの推定Fカップのバストを見たくてが7割で基地見学ツアーなんかに参加してしまったナナミは、
「休戦中じゃなかったんですか?」
「あいつらアレがあることかぎつけたんだわ!いっしょに来て」
ただ一人の参加者(宇宙用のロボットアームから進化した人型兵器を重要視しなくて事実上旗色が悪い地球の軍隊に入ります?)のナナミは、やたらとスカートが短い合同軍の隊服姿のマルチナのあとを追って、
「マルチナさん、パンツ見えてますよ」
「まじめに走って!」
ヘルメットをかぶったガイコツのような不吉な姿をしたオルガス型ムスは、開発者カシモフ博士の身長の10倍の高さ(人型兵器のスタンダードサイズ)で、実体弾使用の武器を携行していた。
3機のオルガス型ムスは建物という建物を破壊していた。
「格納庫にあると思ったら大まちがい」
マルチナは自販機に偽装したエレベーターのドアをあけ、
「少年来て」
ナナミは、
「せまくて体が密着して」
「このスケベ!」
(つづく)