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お元気で

作者: 翠泉


 あなたが飾ったあの夕日

 窓からただ眺める時間が好きだった

 しっかりと自分で選んだから

 そんな人を愛せるような世界なら良い


 私とあなたの生きる時間に

 名前がないことが悲しい

 でもそれに気づいた時に

 この詩に意味が生まれるから


 世界に取り残されたくないから人のふりをした

 そんな人形には他人に寄り添える力はなくて

 4分割にされた感情は

 荒廃した地平をただ繰り返す


 情報だけを垂れ流すラジオ

 死の匂いがする白いシーツ

 名もない公園の隅に

 あの日埋めた動物の死骸


 もう全てがどうでもいいけれど

 最初からあなたのことが好き

 寒そうに震える青空を

 捕まえられるのは私たちだけ


 繰り返した行動の皺寄せを拒否した

 だけど思い出は桜色に褪せていく

 他人を傷つけることに憧れないで

 悪い人に魅力を感じないで


 あなたが取り繕っていた善意を

 内緒で真似をするのが好き

 しっかりと自分で選んだから

 そんな人を裏切らないような世界なら良い


 私とあなたの生きる時間に

 名前がないことが悲しい

 でもそれに気づいた時に

 この詩に意味が生まれるから



 飾り気のない純粋な涙

 この世で一番綺麗な愛の誓い

 永遠に言葉にすることがないように

 さようならの五文字は随分前に私が壊しておいたから


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― 新着の感想 ―
[良い点] 二人の生きる時間に名前があればいいのに、という言葉が心に響きました。そして、「さようなら」の五文字は壊しておいたから、というところも、気持ちがとても伝わってきました。 手紙を書いている時…
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