09:一人称と三人称
小説って、人称も大事だと思うんですよ。
私は、読むのはどちらでも好きです。
でも書くとなったら別です。
まず、三人称。
これは客観的な観点から主人公を描くことができるので、私はファンタジー系などに向いていると思っています。
まず、視点切り替えの際、違和感なく別人物を描けるという利点があります。
しかし欠点は、主人公の心情が直接的に描きにくいことでしょうか。どうしても、「〇〇は〇〇と思った」みたいな文章になってしまいがちなわけです。
一人称に関しては、これまた難しい。
とある人物の視点で、考えで、物語が描けて割合心情描写もやりやすいのですが、問題はやはり客観性と視点切り替えにあるでしょう。
客観性がない一人称では、主人公の知らない情報を開示できない。
それをするために視点を切り替えようとするのですが、一人称の視点切り替えにはかなりの違和感があるんですよね。
――〇〇視点――
↑のような記号が入るとします。
そうすると私、なんだか萎えてしまうんですよね。
なんというか、美しくないと思うんです。
もっとスマートなやり方はないのでしょうか。
私はかつて一人称の長編を書いたときに、主人公とは別の人物からの視点で一話を描いたことがあります。
しかし読み返して、最後まで誰かよくわからないような結果になってしまいました。やはり三人称の方が、視点切り替えには向いているのです。
とまあ色々言ってみましたが、一人称、三人称のそれぞれの利点を活かせばいい。
一人称はコンパクトかつ心情が表現しやすい。私は短編向きだと思います。
三人称は客観的で視点切り替えができ、主人公の知らない情報も混ぜ込める。これは長編向きではないでしょうか。
場合によって使い分けるツールだと、私は思っています。
それを使い間違えるとなんだかわからない小説になってしまうので、注意しなければなりません。