03:キャラクターはどうしても記号化してしまいがちになる
キャラクターを描くのは難しいと、私は思っています。
短編や掌編なら、大まかでいいと思うのです。男か女か、口調やある程度の見分けが付いたらいい。
けれど長編では話が別です。ストーリーはもちろんですが、それを動かすためにキャラが要になりますから。
キャラクター設定などで検索すると、口調、性格、容姿、好きな物嫌いな物など、基礎的なことを決めていればいいと書いてあります。
私も実際それでキャラクターを作ってきました。
でも……どうしても、リアリティが入らないのです。
例えば、登場人物の性格を「明るく元気」に設定するとします。
するとやはり活発系の陽気キャラにならざるを得ません。
しかしリアルでは、明るい人でも悩みを抱えていたり、隠れた一面があったりします。
でもキャラ設定をしてしまうと、どうしてもそれが難しい。変に別の面を作ると、「キャラクターがぶれている」と言われるわけです。
でも、単に陽気で決めつけてしまうと、実際の人間という感じが消えてしまうのです。
これを絶妙なバランスで描くのは、至難の業だと思います。
私は長編を書くこと度に、やはりその度にこの問題にぶち当たるのです。
だからそれがしっかりなされている小説は、本当に心を打たれるのでしょう。
いつの日か、リアリティのある人物を描ける時が来ることを願いつつ、今日もキーボードを鳴らしています。