19:書き出しで運命は決まる
書き出しは、小説を書く上でかなり重要な要素ではないでしょうか。
そこでその小説の運命が決まるのだと、私は考えています。
例えば、
「私は〇〇。普通の学校に通う、中学三年生!」
こんな書き出しがあったらどうでしょう。
私であれば、「うえー」ってなります。
アマチュアがやる、典型的な失敗例ですね。
書き出しに何の魅力もない。例えこの先が面白かったとしても、この時点で誰も読むのをやめてしまうに違いありません。
では、こんな書き出しはどうでしょう。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。」
有名な『雪国』の書き出しですね。
でも私はこれを、「重たいな」と思ってしまいます。
文学は、上のような書き出しが最高でしょう。
でも私は別に重たい文学を書きたいわけではありません。では、どういうのが好きかというと。
セリフとか、突拍子もない描写とかから始まると惹きつけられるんですよ。
例はあえて挙げませんが、私の好きな作品は突然とあるシーンから始まります。
そしてそこで急展開を迎え、改めて平凡な始まり、という流れになっているのです。
私もこの手法を使うことにしました。
まず、印象的なシーンなどを最初に置きます。
そして気になる……という感じの部分で置いておいて、最初から語り始めるのです。
もう一個の手法としては、セリフから書き出す方法も使っています。
印象的なセリフの後、軽く状況を説明。読者が入って行きやすいように作るわけです。
実際、完全なる状況説明から始めるより、どちらもウケがよいことがわかりました。
そして今後目指すのは、もっと綺麗な書き出し文。
記憶に残るような、その先を知りたくなるような、そんな書き出し。
私はそれを目指し、書き続けているのです。