17:五感を描く
五感を描くことは、私にとっては大きな障害の一つです。
・触覚
・聴覚
・味覚
・嗅覚
・視覚
私は、このうち二つがあまりよくありません。
嗅覚と視覚です。
生まれつきちょっと障害を抱えており、嗅覚はありません。
そして視覚も、片方は見えずもう片方も危ういという状態なわけなのです。
私の小説を読み返すと、嗅覚の描写はほとんどないのがわかります。『磯の香りがした』とか『芳しい花の香り』とかその程度の、ざっくりした感じしか描けないんです。
一方の視覚は、もちろん描けるには描けるのですが、ぼんやりしているというか、やはり作者の見えている世界に近寄ってしまうんですね。
ですから大切なのは、聴覚と触覚、味覚です。
味覚はあまり万能ではないので、主に聴覚と触覚で伝えることになります。
聴覚は言うまでもなく音、または声。
これは小説にとって大切な分野になってきます。五感の中では最重要でしょう。
声があるから、話が進むわけで。
音があるから人間は何かを感じるんですよね。
そして触覚。これも大切になってきますが、私はあまり多用できていません。
これとオノマトペなんかを合わせると、読者により状況が伝わるはずですから、なるべく使うようにするつもりです。
五感を描くと、物語に深みが出るとよく言います。
普段から五感を意識し、それを文にも活かす。これが小説を書くにあたって大切なことだと、最近よく思います。