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11:手書きってなんか書けない
手書きが書けない。
こうなったのは、どれくらい前からでしょうか。
私は昔、原稿用紙に何十枚も何十枚も、ほとんどアイデア段階の物語を綴るのが好きでした。
しかし今、それができなくなっているのです。
何故でしょう。なんというか、手書きは、言葉がうまく乗らない。
思ったことをすぐ書けず、その間に考えが変わったり伝えたかったことが薄れていってしまう、そんな感じです。
だから私は、キーボードに乗せて言葉を吐き出すのでしょう。そうすれば純粋な思いを、そのまま伝えられるんです。
だから特にエッセイなんかは、この方式が向いている。
手書きはとっても素敵だと思うんです。手書きをできたらいいなあって思います。
でもやはり、うねうねした、ウジウジした、そんな文体になってしまう。
それがいい。そういう人もいますし、羨ましいです。でも私は違う。だから今日も今日とてキーボードをパチャパチャ叩いているわけであります。