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一話 夕立と友達1

 蝉時雨が止み、ふと夕方に雨の匂いがすれば、その子はやってきた。


 だから、俺は夏の夕立が好きだった。




 部活が終わり、俺は高校の昇降口で当方に暮れていた。


「……マジ天気予報当てになんねぇな」


 さっきまでの晴天は嘘だったかのような土砂降りの雨。

 遠くの空には、稲光が走っていた。

 俺の横にも、何人かの生徒が忌まわしそうに空を睨んでいた。


「おい、マジかよ……」

「ちょっとぉ、傘持ってないんですけどぉ」

「どうしよ……」


 が、彼、彼女らには、なぜかこういう時に救世主が現れる。


「オレ、傘持ってるぜ!」

「さんきゅ! 助かるぅ! ハンバーガーおごってやる」

「相合傘で一緒に帰ろ!」

「ありがと! あっ、新しいスイーツ屋さんできたから、食べて帰らない?」

「ほら、俺が傘持ってっから、帰るぞ」

「……あ、ありがと」


 一人、また一人と。

 友達やカレカノと一緒にその場から離れて行った。

 俺にはそんな救世主(ともだち)はいない。


「少し待つか」


 無理して帰ったところで、家には誰もいない。

 俺は独り、踵を返して部室へと戻る。




 部活は、都市伝説部。

 友達からはオカルト部や心霊部とも呼ばれている。

 確かに心霊系も扱うから間違ってはいないし、俺自身は好きだから否定をしない。

 現に俺も不思議な体験を何度かしたことがある。

 この部に入部してからの方が多いが、そもそも俺がこういったことに興味を持つキッカケになった出来事があった。


 それは、今日みたいな夏の夕立の時――


 俺は、思い出すのだった。

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