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1:プロローグ
気が向いたときだけ書いてます。
連載型ですがボリュームとしては短編小説です。
あるところに一人の神様がいました。
その神様は、「にんげん」を見るのが好きでした。「にんげん」に火が宿り、消えゆくまでの時間は、神様にとってはほんの少し。儚く消えていく火を、神様はたくさん見てきました。
ある日神様は、いまにも消えそうなしぼんだ火を見つけました。かすかに揺れるか細い火を宿していたのは、まだ成長しきっていない少女でした。神様は気の毒に感じましたが、そのようなことがあるのがにんげんであることも知っていたので、特に気にとめることはありませんでした。しかし、その少女が自分と近い風貌だったからでしょうか。神様は少女から目を離すことができませんでした。
その間、か細い火が消えることはありませんでした。