1/3
一頁目
「一体犯人は誰なんだ……！？」
血塗られた殺人現場に、駆けつけた刑事の嗚咽が響いた。
扉の向こうで待っていたのは、先ほどまでとは変わり果てた姿で倒れている、旅館の女将だった。彼女がすでに事切れているのは、誰が見ても明らかだった。彼女の眉間には、果物ナイフがざっくりと突き刺さっていた。
「お……女将さん！」
旅館関係者が廊下に崩れ落ちる。しばらくして、刑事はあることに気がついた。彼女の手に、くしゃくしゃになった白いペーパーが握りしめられている。刑事は慎重に彼女の手から紙を抜き取った。そこにはこう書かれてあった。
『もし作中に一つだけ、現実と違わぬ真実があるとすれば……それは一体、何頁目だろうか？』
「なんだ、こりゃ……」
