転換、落ちて墜ちて
『・・・この階段は人間の“口”という器官に反応してその全てを呑み込んでしまう。・・・』
『・・・消えてしまうんだ。この世界からも、何からもね。そして、消えた魂は永遠に痛みだけが存在する場所に送られてしまう、と聞いた』
「「・・・・・・!?」」
変化は突然でした。
周囲が突然暗くなり、床が崩れ始めます。
「・・・!!少年、走るぞ」
死神はそう言って走り出します。少年も必死にそのあとを追いかけます。
しかし、走りながらも少年は気づいていました。
床の崩れは、自分の元にしか向かってきていないことに。
そして、このままでは彼を巻き込んでしまうことに。
そして少年は歩くことを止めました。止めて崩れゆく床へと身を任せて
「何をしている少年、このままではお前は」
落ちそうになっている少年を必死につかみながら、死神が叫びます。
「なんで、俺なんかにこんなにしてくれるんですか」
死神とは対照的に穏やかな口調で少年が言いました。
「いいから・・・黙って登ってこい・・・ぁ!!!」
そういった瞬間足元は崩れ、無情にも二人の手は離れていってしまいます。
「あっ・・・た・・・達也――――――――!!!!!!!!!!!」
「・・・ありがとう・・・龍太・・・兄さん・・・そして・・・・・・さよな・・・」
そして、少年の落ちた穴は次第に塞がっていきました。
その穴の横で、影が一つその様子を見つめていました・・・・・・・・・。
少年は静かに
静かに闇の中を落ちてゆきます
慌てることも、騒ぐことも無く
その身を委ねたままずっと
あの光に触れることが出来るのなら
俺はいくことができるのだろうか・・・
そして、少年の体が光に触れて・・・包まれて・・・・・・少年の意識は、消えていきました・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
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