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日差し、哀しみと苦しみ

 その次の部屋も、少年の知らない場所でした。

 そこは、とある民家の一室。そこに、明るく笑う女の子とその母親らしき女性がいました。

 女の子は首をかしげながら女性に向かって問いかけます。


「ねえねえおか〜さん、あのお兄ちゃんのところにわたし会いに行ったら、いっしょにあそんでくれるとおもう???」


 その女性は困ったような笑みを浮かべて言いました。


「そうね・・・時間がうまく重なるようであったらね・・・」


「ええ〜、はやくお兄ちゃんとあそびたいよ〜」


「・・・そうね。でも、公ちゃんはお兄ちゃんに迷惑なんてかけたくなんかないいでしょう?・・・でしょ?だったら素直に待ってなくちゃね」


「うん!!ああ早くお兄ちゃんに会いたいな〜、たっのしみだな〜」


 女の子は、またニッコリと笑って言いました。



 少年は、もう耐えられませんでした。

 この女の子が自分の元を訪れることによって、この明るい笑顔が失われてしまう。

 その可能性が、少年の頭の中を渦巻きました。


 確かに今は“死”ということについて、女の子は理解することが出来ないでしょう。

 ・・・少年のように・・・。


 しかし、一旦それを理解してしまった時、信じていた全ての思いが消えて行ってしまうのです。

 ・・・少年のように・・・。




 

少年は



その部屋から出て行きました。




逃げるように


聞こえないように




それでも

女の子の笑い声はずっと耳にこびりついて



離れることはありませんでした。











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