始まり、絶望
この物語は、作者が中学時代に書いていた物を連載ものとして修正、加筆したものです。
見苦しい所もございますがご容赦下さい。
また、この作品は、自分の価値観で作られています。それを奪うようなコメントはご遠慮下さい。
では、どうぞお楽しみ下さい。
とある町に、一人の少年がいました。少年はいつも独りでした。仲間はずれになってしまった、というわけではなく、彼自身がそれを望んだからでした。
といっても、昔の少年は、ここまで頑なではありませんでした。友達もいて、笑ったり、冗談を言いあったりして人付き合いもよく、人望もありました。
しかし、少年が十歳になった夏休みに全てを変える出来事が起きました。
その日少年は、当時最も仲の良かった“友達”と、近くにあった山へと遊びに来ていました。
二人は、薄暗い森林の中を無邪気に走り回りました。
時は瞬く間にすぎ、時間はおやつ時となりました。
二人は、暗くなる前に帰ろうと山を下り始めたのです。
その時でした。
それが起こったのは。
踏み出した少年の足が空を蹴ったかと思うと、体が宙へと浮かび、と思った時には穴の底へと背中を”ガッ“と打ちつけていました。
幸いなことに少年にケガらしいケガはありませんでした。が、少年が立っている場所は地上から三メートル程の穴の中、どうしても出ることができませんでした。
そこで少年は、“友達”の名前を呼びました。しかし、
「・・・・・・・」
帰ってきたのは沈黙だけでした。
日は次第に傾き始め、周囲は暗くなっていきます。
何度も何度も少年は“友達”の名前を呼び続けますが、心の中に芽生えたひとつの種は少年の心を蝕んでいきました。
その種の名前は“孤独”・・・・・・・・。
夜も更けて月が明るく照らす中、少年はやってきた大人たちによって助け出されました。
少年は、大人たちの間に隠れて“あの友達”がいることに気づきました。
友達は俯いたまま微動だにしません。
少年も、声をかけることはありませんでした。
そして少年は独り離れていきました。
自ら周りから離れ、孤立していきました。
その雰囲気には話しかける素振りすら与えず、近寄ることすら躊躇わせるまでになりました。
次第に少年の周りから人影が消えていきます。
少年は、気にも留めませんでした。
ペースは分かりませんがきちんと更新していきます。どうぞこれからも宜しくお願いします。




