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黎明  作者: 明月 えま
9/11

愛の形

 ねえ。

 私のちょっと変わった旦那様の話をしましょう。


 今、思い出しても笑っちゃうわ。


 あの人、全財産を開示して、教会で挙げる式でどれくらい使うかは任せるって言ったのよ?しかも、至極当然と言う様子で。


 私も若かったわよね。戸惑ったわよ。


「あの…。私が内容を決めるようにおっしゃってますの??」

「そうだ。」

 軽く目眩がするかと思った。


 この方、私の事をどう思っているのかしら?なんて。


「男性のご意見をお伺いする方がいいと思うのですが…。リオン様とか。」

 私の返答に、それもそうか、という様子で、一言、わかったと返答があった。


 その後、リオン様に相談?した旦那様は、リオン様から、レイローズ様が適任だと言われてレイローズ様の所に行き、小一時間、説教を受けて、ほとほと参ったという顔で、翌日、私の所に現れた。


「妻となる人への贈り物を放棄するような言動をしてしまい、申し訳ない。」


 そうして、結婚式の贈り物は、旦那様が選んで下さる事となった。


 が。

 やっぱり、変わっていた。

 通常、一人掛けの装飾に凝った椅子を贈るのに、横になれるほど大きな椅子だったのだ。


 本人曰く、疲れた時にすぐ横になれるように、との事。


 私、病弱ではないのだけれど。

 どう言う事かしら?って思ってたら、暫く寝込んだというお義父様の話から、どうも実はか弱い?と思われていたらしい。

 しかも、通常、沢山の宝石で飾り立てられる式では、意外と軽くて。装飾は少ないなと、思っていたのだけれど。


 贈られた宝石は希少品ばかりで。驚くばかりだった。物量でなく、価値で勝負という所か?と、思ったが、後日、ドレス用の布が山ほど届けられた。


「身に着けないような物は邪魔になるだろう?」

 宝石に対してはそう言い放ち。(女性のお洒落を全く理解していない)


 旦那様から貰った物を極力取り入れてドレスを選ぶようになり。すると、仲の良い夫婦と思われて、一段と脚光を浴び。


 世間からはどんなにお熱い夫婦なのかと思われていた。

 が、ここだけの話、旦那様は、家ではほとんど笑わない。皆が考えるような、にこやかな笑顔は、そこにはない。


 幼少期に受けた幽閉の影響で、元々笑わないのだと、結婚してから初めて知った。公衆の面前で表情筋をどう動かせば笑顔に見えるのか、練習して身につけ、取り繕っていると。


 じゃあ、無理して笑わないでいいわ、って言ってから、一切笑わなくなった。

 嫌な時に、嫌な表情はするので、(たとえば、とっても口に合わないものを食べてしまった時は、子供みたいに眉を寄せているのを内心おかしく思っていて。)無表情は機嫌がいいのだと思っている。


 静かな時間。

 穏やかな時間。


 そんな中、旦那様が時折、夢でうなされている事に気が付いた。そっと手を握ると、握り返されて。しばらくして、穏やかな寝息が聞こえる。


 結婚して、二年後に、私たちは、双子の娘を授かった。

 出産時に、双子で時間がかかり、出血量が多すぎて意識が朦朧となってしまった。何とか、産み落として、意識を手放したのだけれど。起きたら旦那様が、涙目で私の手を握っていた。

「すまない。すまない。」と、何度も謝る旦那様の頭を。私は手を伸ばして、そっと撫でたのだった。


 家は賑やかになり。子育てをしていると、あっという間に時が過ぎた。

 徐々に、家族になっていく。


 旦那様の選んだ、結婚式の大きな椅子は正解だったと思う。

 疲れたら、すぐに休憩出来るし。横に並んで座っていたら、いつの間にか旦那様に寄りかかって寝ていたこともあった。もちろん、逆もある。重たいんだけれど…。


「ルーク」

 そう呼ぶと、無表情のまま、旦那様が振り返る。その態度は相変わらずで、私はフフッと笑って、背伸びをして旦那様の首に腕を回す。

「何か、いいことがあった?」

 静かに、尋ねる旦那様に私は笑いかける。

「あったわ。今日は、貴方が一時間も早く帰ってきたもの。」


 笑わない旦那様が、ほんのちょっと目を細めてから私を抱きしめ、優しく頭を撫でた。


長らく放置状態だった…。申し訳ありません。終わりは決まっていたのに、どこまで書くか、悩んでもいたんです。

本当は、もっと短く仕上げるつもりの話だったので。

ハッピーエンドと銘打ったものの。幸せの形は、さまざまなので。甘々を期待していた方、すみません。どうしても、キャラが許してくれませんでした。


公私共にバタバタしておりました。

正直、まだ忙しいのですが。

まあ、なんとか。


あと、一話で完結します。

総括して。この物語全体の後日談的なものです。


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