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第八話

 1ラウンド目とは別人のような戦い方だ。

 ゼルダは俺の1ラウンド目の戦いを見て、即座に対応していた。

 1ラウンド目は手加減してたのか?

 いや、それは違うな。

 手加減していたようには見えない。

 あれは単に戦い方を変えていただけだ。

 それも相手に合わせて変えた立派な読みと戦略だ。

 きっと囲碁か将棋でも指すような顔で、冷静に俺の戦いを読んでそうしたんだろうな。

 まるで機械のようだ。

これは俺の中の対戦相手の戦い方の傾向を独自に分析した答えだが、俺が思うにゼルダはどうやら1ラウンド目で遊んで相手の行動を把握して、次のラウンドで勝つタイプのゲーマーに見える。

 だがキャラクター性能差がある。

 俺の使っているこのキャラクターとゼルダのキャラクターでは、10回戦えば俺が7回勝てるキャラ性能の差がある。

 つまり実力が同じなら、俺は10回戦って7回勝てるってことだ。

(きっと大丈夫だ。冷静にいつも通りにやれば良いんだ)

 最終ラウンドに入る。

 今度は俺のキャラクターがジャンプして相手から離れ、弾撃ちコマンドを入力して連続で弾撃ちを続けた。

 しかし相手がこっちの弾撃ちになれたのか、ガードとブロッキングで受け流しながらゲージを貯めてじわじわと近づいてくる。

 このままではマズい、また負ける。

 こちらも戦いを変えてみるか?

 いや裏の裏をあえてやろう。

 そうするならまた接近戦に持ち込んでコンボを入れて、こっちのペースで倒せばいい。

 それをやるしかないか。

 そう思って弾撃ちを止めて、相手の近くに移動する為にジャンプした。

 だが相手のキャラクターが対空技を押して、ジャンプ中だった俺のキャラクターが地面にダウンする。

 次の行動が読まれている?

 だが戦い方を変えるわけにもいかない。

 そのまま起き上がりと同時に投げ技で削られていく。

 また起き上がると同時に相手がわずか1フレーム差で必殺技コマンド入力をされ、必殺技を出されるが反射的にレバーを左に入れてガードで防ぐ。

(このまま守り続けたら投げられてまた負ける……攻めろ俺……こっちが通常技から入ってラストは必殺技の3段コンボをを決めて倍返しだ!)

 ゼルダのキャラクターの必殺技が終わったと同時にこっちが中パンチを押す。

 しかし押すのが早かったせいか、相手のキャラクターの必殺技モーションの無敵時間中に当てたのでノーダメージの判定で終わる。

 アーケードコントローラーのボタンを押す指が心なしか重く感じる。

 ゼルダに威圧感を感じているのか?

 こっちが何かをするのがためらうというか、恐れのようなものを感じてしまう。

 上手く説明できないが、なんというか見知らぬ年上の人に初めて話すような慣れない上にぎこちない敬語とかが口に出て、長く話が出来そうにない気持ちに近いかもしれない。

 つまり未知の体験をすることになる恐怖。

 そんな気持ちになっては駄目だ。

 そうだ、ためらえば負ける。

 何かしなければ当然ゼルダのペースになる。

 そのまま中パンチを連打してダメージを与えてケージを貯めようとしたが、相手の強キックで倒される。

 体力がむこうにある分には余裕があるように見えるな。

 追い込まれると強さを発揮するプレイだってある。

 それを見せてやるよ。

 強気になるがもう体力が4割しかない。

 相手に超必殺技(アルティメット)を入力されて、それを俺のキャラクターがくらわされたら負けだ。

 こっちのゲージはあんまり貯まってない。

 相手のコマンド入力の早さは俺より上だ。

 それでも先手をとらないといけない。

 ゲージ消費技で対抗したが、相手に読まれていたのかバックステップされかすりもしなかった。

 負けたか?

 いやまだだ。

 アーケードコントローラーのレバーを持つ手の汗がぬるぬるとした感触を生み出す。


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