表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/48

第七話

 お互いじりじりと距離の取り合いになる。

 途中で何度かゼルダのキャラクターが俺のキャラクターを強パンチや中パンチなどでダメージを与えた。

「あっ!」

 思わず口に出た時にはその攻撃が通って、距離が少し離れた後だった。

 これは俺の油断が生んだ隙を見事につかれた結果出来た事実だ。

 そのせいかリードしていたはずの体力はお互いあとわずかに変化した。

(落ち着け。焦るな。クールになれっ!)

 相手が強キックを空振りしたので、その隙に相手の懐に飛び込んだ。

 そして通常の必殺技よりダメージ判定と威力の上がるゲージ消費の必殺技を素早くコマンド入力した。

 見事に必殺技が命中して、相手のキャラクターを倒す。

 相手のキャラクターの体力が0になり、1ラウンド目は俺の勝ちで終わる。

「よしっ!」

 アーケードコントローラーから手を離して、握りこぶしを作り天井に向けて掲げる。

 (どうだ! 凄いだろ?)

 俺は格闘ゲームで10位に入る奴に1ラウンド目で勝てたんだぜ。

 っと話す相手もいないのに自慢げに言いたいが、なんとか勝てた感じがする。

 しかし相手は戦い方を見ると、このウルフォ4をやりこんでいるに違いない。

 まあランキング10位だし、そんなの当たり前なんだけどな。

 でも大丈夫だ、俺だってこのゼルダとかいうプレイヤーと今のところ対等にやりあえている。

 経験の差があるがどっちが勝つかわからない、もしかしたら次とその次のラウンドで俺が負けるかも。

 いいや、最後に勝つのは俺のキャラクターだ。

 自信を持て。

 そうして手をアーケードコントローラーに戻す。

 2ラウンド目が開始される。

 今度は相手が必殺技コマンドを俺が入力した弾撃ちのコマンド入力のときより早く入力して、必殺技の1つである投げ技モーション中の無敵時間を使って移動した。

 無敵時間のモーション中に俺のキャラクターが出す弾撃ちをそのまま相手キャラクターの後ろに通過され、弾撃ち対策で距離を詰めてくる。

 むこうのゲージは相手のそれらの行動の後で一瞬見ると、すでに満タンだ。

(超必殺技であるアルティメットは使わない気か?)

 危険が伴うが、接近戦に持ち込んでコンボで倒そう。

 俺は出すのが少しだけ難しいゲージ消費技で近づいて、コンボで相手を倒そうとした。

 だが、相手が素早いスピードで投げ技コマンドを入力したので俺のゲージ消費の必殺技は無効化され投げられた。

 たった2フレーム差でこちらがやられた。

 やばいな、相手の方が本当にコマンド入力の早さと読み合いが上手いぞ。

 それに俺自体がこの場面を特に相手の行動への読み合いを無防備に違いないから、このまま安直にコンボで攻めて接近して体力を削ろうとしたのが裏目に出た。

 あそこは中距離でけん制しつつ弾撃ちをして、相手を誘ってカウンター用の必殺技でガン待ちしておけば良かったかもしれない。

 ガン待ちとは格闘ゲームの用語で守りに特化したプレイスタイルで、昔は嫌われていたやり方だ。

 そうだ、俺はさっきから相手に弾撃ちでけん制しつつ、接近しては攻めてばかりが多めだからガン待ちという発想をしなかったことがゼルダに読まれていたのかも?

 起き上がると同時に相手のゲージが満タンなのを思い出す。

 (しまった! 使わないフリをして実は超必殺技であるアルティメットを使うのか?)

 ゼルダのキャラクターが超必殺技(アルティメット)を使われるその前に、体力を0にするためのコンボで封じて勝つプランに変えようと思うが果たして間に合うか?

 そう思った時だった。

 コンボで繋げていこうと少しでも当たり判定を確実にするために、相手のキャラクターの懐に入る途中でそれは起こった。

 相手が俺と同じように俺のキャラクターに近づいて即座に超必殺技(アルティメット)のコマンドを入力され、俺は超必殺技(アルティメット)を喰らった。

 俺はもろにゼルダのキャラクターの超必殺技(アルティメット)を出されて、一気に体力が削られてしまった。

 ここで使われたか……しかしあの複雑なコマンドをまるで初心者のタイミングで押すようなキックボタンとほぼ同じくらいの時間で入力するとは……。

 やはり俺の必殺技コマンドは相手より簡単に出せるのに、コマンド入力の早さで負けている。

 それにもう俺のキャラの体力が2割しかない。

(くそっ! なんてコマンド入力の早さだよっ!)

 でも1ラウンド目に勝てた相手だ。

 落ち着け。

 まだ俺がここでゼルダに負けて1ラウンド取られても、次のラウンドがあるというチャンスがある。

 だがそんなことで慢心すれば、このラウンドはほぼ確実に負けるだろう。

 反撃と次のラウンドの保険であるゲージ溜めのためにコマンドを入力し必殺技を繰り出す。

 しかし相手に読まれていたようで、俺のキャラクターが接近しないのを知っていてかダッシュで近づき、わずかな時間で俺のキャラクターの必殺技の無敵時間に入る前に弱キック、中パンチ、強キックとコンボで倒された。

 俺のキャラクターの体力が0になり、このラウンドは負けになった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ