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第二十五話

 さきほど俺が10回戦えば4回勝てるというキャラクター性能差による有利不利を決めるゲーマー用語でいう合っているかどうか俺にもゲーマー用語がにわか知識だから自信はないが、俗にいうダイヤグラムと呼ばれるものを説明した。

 それはあくまでお互いが同じくらいの腕前という条件を前提としたダイヤグラム、つまりキャラ性能の差だ。

 初めての大会ということもあって、なんかテンションが上がってきた。

「お前はこの強キャラとそれに見合うだけの実力を持った上位ランカーのこの真柴様に負けて、努力だけではどうにもできない下級ゲーマーの実態をお前自身で知ることになるだろう」

 何が下級ゲーマーだよ。

 偉そうにしやがって。

 何か一言だけ言ってやるか。

「同じ格ゲーマーとして全力で相手してやるぜ。真柴さんよぉ!」

 思わず俺が大声でそう言うと同時に1ラウンド目が始まった。

 大声で言ってて言うのもなんだがちょっと恥ずかしかった。

 ここに大槍がいたら、お前そういうこと言うキャラじゃないじゃんかって言うだろうな。

 そんなことをいつまでも気にしててもしょうがないので、始まった一回戦の真柴との対戦に集中する。

 対戦が始まったと同時に真柴のキャラクターは1歩バックステップする。

 それを見て俺は即座に弾撃ちのコマンドを入力し連発する。

 真柴のキャラがガードで俺の入力して出した弾撃ちを次々と防いでいく。

 やっぱりブロッキングを一回すると次の弾が当たり、運が良ければガードですむがダメージが少しだけ残ってしまうことを知っているな。

 最初から攻めてこないのか、ならこのまま弾撃ちで体力を少しずつ削っていこう。

 そしてその後に接近してカードを崩して攻撃を浴びせよう。

 何発か撃って俺のキャラクターがダッシュコマンドをレバーで入力し接近する。

 しばらくお互い弱パンチや弱キックで連打して空振りしながら、お互いの次の出方をみる。

(思ったより慎重な相手だな)

 接近して攻撃ってはずだったが、そう上手くはいかないか。

 真柴のキャラクターが不意にジャンプした。

 そしてそのまま俺のキャラクターの間合いに入って即座に入力した必殺技を当てる。

(しまった! 着地時の2フレームの隙を見逃した!) 

 こいつは序盤からバッタをしないだろうと思って、ダッシュで近づいて攻撃すると予想していたので飛んで攻撃してくるとは思わなかった。

(勝てる形であるセオリー無視かと思わせて、あえてセオリー通りの戦い方をするんだな。騙すというか読み合いが上手いな)

 関心している場合でもないか。

 現状を見るに、これはまずいことになった。

 先にこっちがダメージを多く貰ったのは痛い。

 真柴が使うキャラクターの火力は通常技から必殺技までやや高めに設定されている。

 すぐに対応しなければ、このままでは真柴のペースになり、やられるだろう。

(落ち着け俺。まだ始まったばかりだ)

「素早い入力だな」

 俺の後ろにいるギャラリーがそう言う。

 自分のキャラクターが必殺技から立ち直ると、すぐに真柴のキャラクター下蹴りをして、ダメージを当てて、素早くコマンド入力して必殺技を発動し、真柴のキャラクターにぶつける。

「おおっ! あの坊主やるぜ!」

「見ている俺らでも、これはどっちが勝つかわからなくなってきたな」

 後ろの声を聞き流して、集中する。

 必殺技を喰らってダウンした真柴のキャラクターに、また近づいて起き攻めの中パンチを当てる。

 ここで必殺技を使われて、むこうのペースにされる気もする。

 だが対戦する前からわかりきっていることがある。

 それはゼルダもとい熊倉さんと戦った時より弱い相手だ。

(真柴の操作に対応すれば……勝てる……かも!)

 必殺技を真柴が素早く入力しキャラクターが必殺技をかますが、俺がバックステップをレバーに入力してうまくかわして、必殺技を外すことに成功する。

 そろそろゲージが溜まる頃だな。

(大丈夫だ、最初は先制されたものの実際は熊倉さんに比べればそんなに強くない)

 弱パンチを一発当てたらゲージが溜まったので超必殺技(アルティメット)をいつもより調子が良いせいなのか、弱パンチでひるんだ真柴のキャラが次にジャンプするモーションの飛ぶ時までのわずかな数フレームの間に瞬時に入力することが出来た。

 真柴の強キャラはジャンプの着地もそうだが、飛ぶ瞬間も2フレームの無防備な状態を見せる。

「おおっ! すげぇ!」

 後ろでギャラリーが大きな声で騒ぐ。

 そう察しの良い奴ならこう思う。

 この強キャラは真柴クラスでも隙を見せれば、キャラクターにもよるが上級者に不利でもあり、しょせん中級者クラスのプレイヤーキラーに過ぎない。

 見事に超必殺技(アルティメット)があたり、真柴のキャラクターがまた倒れる。

 全然いける。

 このまま俺のペースに持ち込んで体力を削ってやる。

 大丈夫だ、今の俺にはそれが出来る。


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