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豊穣の女神は長生きしたい  作者: うすいかつら
終章

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エピローグ

 今日も普通に、わたしはアルド離宮でヒースと暮らしている。

 うん、手枷にも慣れてきたしね。


「サリナ」


 ベ、ベッドでおいでおいでされるのにも慣れてきたしね!

 ベッドに座って手招きしてるヒースの隣までいって、腰を降ろした。


 この手枷の難儀なところは、なかなか着替えが自分でできないとこよね……


 今日はヒースの方が先に寝室で待っていた。

 わたしが遅れた理由は、テレセおばさまから贈られた新作の寝間着のうちどれを着るかでもめたから。

 ふだんは夜はフランシスカがいないしミルラはそういう口は挟まないから、寝間着選びはヒルダの独壇場なんだけど、今日着せようとした寝間着はちょっとスケスケ通り越して丸見えで……


 着るのは逃げられなかったんだけど、せめて上に何か着させての攻防でさらに時間がかかっちゃった。

 というわけで、今日は寝間着の上にすっぽりケープを羽織っている。


 不自然だけど、しょうがない。


「サリナ、手を出してください。手枷を外してあげます」

「え?」


 外すの?

 ぽかんとヒースの顔を見上げて、どうしてか考えて、ちょっと鼻白む。


「か……帰らないよ、わたし」


 無理に帰したりしないよね?


「帰すためじゃないから安心してください。手を出して?」


 すっぽりのケープの裾から、そっと両手を出す。

 ヒースはその手を一つずつ握って、呪文を唱えた。


『我ヒースクリフ・アールト・グランディアは禁止を許す』


 この魔法は、とにかく何かを禁止する魔法で、解く時にはそれを『許可する』という体裁をとるらしい。


「外しちゃって大丈夫なの?」


 手枷を本当に外されて、わたしの方が不安になってきた。

 手枷は不便だったけど、わたしを守ってたのは間違いないものね……


「ミルラに手枷じゃない媒介を作ってもらったんです」

「えっ」


 できたの?


 それはわたしもお願いしていたものだ。


「そう。つけなおすから、じっとしていてくださいね」


 ヒースは、柔らかいベッドに沈んでいたそれを手に取った。


 え……

 それって。


『我ヒース・アールト・グランディアは、樋口紗理奈に我以外との姦淫を禁ずる』


 聞こえた一つ目の呪文にも合わせて、ぼーっとなる。


 そういや、そんな魔法もかかってた。

 あれ? もしかして他の人にどうこうされるなんて慌てることなかったんじゃない?

 これっていわゆる貞操帯だよね……


 そしてわたしは、首にはまったそれを触った。

 どこからツっこもう。


「これって、首輪だよね」

「……首飾りですよ」


 それはね、逃げだと思うの、ヒース……


「この陣の媒介はね、環か球でないといけないんです」


 そんな話、ミルラからもきいたことある。


「首輪だよね……?」

「……これで、不便はだいぶ少なくなりますよ」


 そこで目を逸らしながら頬を染めないで、ヒース……

 は、話を変えよう。


「そ、そういえば、わたし、他の人に襲われる心配しなくてもよかった? 前もかかってたよね、浮気防止の魔法……?」

「あれは最後まではいけないっていうだけだから……禁じていても、私は心配ですよ。完全に触れることを禁止してしまうと日常生活に差し障るからできませんが。魔法で完全に性別を判定するのって難しいですからね。でも、本当はそこまで禁じたいのですよ。自分ならこの禁止をかいくぐって、君を弄ぶことができるとわかっているから」


 もてあそ……ばないで、おねがい。


「でも理性が飛んでる男相手なら、君の命を守るには足りるでしょう。そのためのものですね」


 手枷が外れて、二つの環でできた首輪がわたしにはまった。

 罪人気分はなくなったけど、違うものになったような気がして、やっぱりちょっと恥ずかしい。


 ヒースが優しい手つきで、これを撫でるから、余計に恥ずかしい。


「……脱がしていいですか?」

「なんで今日に限って訊くの……」


 訊かれたら恥ずかしいじゃないの!

 睨みつけたのに、ヒースは目の周りが赤い。


 どうしてそんな顔なの……


「だって、下にちらちら見えてて気になりますよ」


 そう言って、ヒースはほとんど剥き出しの太腿を撫でた。


「駄目?」


 だめじゃない。

 そういうつもりで、首を横に振った。恥ずかしすぎて、声にはできない。


 そして、ケープを脱がされた。

 下から出てきた寝間着は……


「……私をどうしたいんでしょうか、君は」

「わたしじゃなくてヒルダが選んだの!」

「……あれも私をどうしたいんでしょうね……」


 今夜の寝間着はスケスケの上に、前開きで襟元しか留めるところがない。


「どうかしたいわけじゃないけど……」


 うう、恥ずかしい。

 ヒースは、わたしをじっと眺めて。


「……どうか、されてもいい?」


 そう訊いてきた。


 ……だから、訊かないで。


 小さい小さい声で、それだけやっと言ったら。

 あっと言う間に、ベッドに沈んでた。


 そして、わたしがヒースにどうかされちゃった……


 ――天国のお父さんお母さん、わたしは異世界で幸運な女神になりました。

小説家になろうで最後までお読みくださってありがとうございました!

今回は初めての重複投稿で、色々勉強になりました。

なろうで見つけられただろう方が他サイトに読みに行くっていうのもあるんだなあとか、色々。


そんな中、小説家になろうでブクマや評価をくださった方には、改めて御礼申し上げますー。

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