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CROSS ROAD  作者: 青葉 夜
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燃える村


その焦土には、まだ多くの人が生き残っていた。


足に矢を刺され、身動きが取れなくなったもの。


家に押し潰され、逃げる事が出来なくなったもの。


親と逸れ、独り泣き続ける子供。


迫る火の手から家を守ろうと、必死に水を汲み続ける人。



「……惨い、な」


一思いに殺してやればいいのに。

殺さず生かさず、結果この場所は生き地獄と成ってしまっていた。


生きる者の喘ぎ声。

苦しみ、哀しみ、怒り。


怨嗟の声が満ち溢れたその空間は煉獄。

不の想念の淀んだ、吐き気のする空間。


「……………」



足に刺さった矢を抜いて応急手当をしてやる。


圧し掛かる家を叩いて砕く。


親と逸れた子達を引き連れ、避難し行く人々の中から親を探してやった。


家を守ろうとする人を宥め、泣くその人々を避難させる。


出来る少ない事の全てをやる。出来る事をやる。




「…ち」


胸糞が悪い。

何故こんな中途半端な殺し方をするのか。

殺すなら、その尽くに一片の慈悲無くすぐさま殺せ。

其れこそが対象への唯一の慈悲。


…だというのに、連中は殺さない。殺せるのに、殺さずに居る。


“生きる為に”と言うのなら、きっと俺は何も言えない。

生きる為の殺意。それはこの世の真理。殺生はこの世の連鎖であり、変える事はきっと出来ない。


人を殺さず、人の命で遊んでいる。

それは、一番やってはいけない事。命と言う“行為”を冒涜するもの。




「………くくくっ」



久々に、ブチ切れていた。



ちゅ、厨二病って言わないで……。


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