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CROSS ROAD  作者: 青葉 夜
36/42

OK広場で決闘

サムズアップ。

某国で用いられるボディーランゲージの一つであり、先進国ではある程度認知されているものでも在る。

一応俺も知っている。


「………悪趣味な……」


その広場…決闘場(コロシアム)として整備された、町の中心にある建造物。

そのど真ん中に立った俺は、思わずそのシンボルを見て呟いた。


「“サムズの指”というシンボルですね」

「コレも異界来の…………悪趣味すぎる」


サムズアップの指をかたどって巨大化した石造。

しかも、この指にちなんでか、このコロシアムの名前は“OK広場”。

何だ、そもそも決闘する為に作られたみたいな名前だな。“牧場”ではないというのが唯一の救いか。

……いや、無いよな牧場?


「OK広場で決闘……クク、ボクの実力のデモンストレーションには丁度いい」


で、件のナルシー。

いい加減黙ればいいのに、本当にナルシーなんだろう。

その癖毛を指でクルクル巻いては伸ばして……背後から小娘の黄色い声援が五月蝿いんだが。


「……っていうか、そうか、学園の生徒なのか」


そういえばの話。此処は学園都市クルスト。

ならば、其処に居る多くは生徒である可能性のほうが高い。

よくよく見れば着ているのは何処か統一された服だし……あああ、失敗したかも。


「ケントさん、ファイトです!!」

「……オッケー。任せとけ」


クリスの声援に腕を振って応え、正面へと向き直る。



「ククククッ、逃げずにノコノコとここまで来た事はほめてやろう」

「別に要らん。いいから、早々に始めようや」

「……ッ、ググ…………いいだろう、成らば、即座に貴様の首を落としてくれるっ!!」


言ってモジャ毛が手を振ると、闘技場の端からトレイを持った人影が一つ。


「契約書だ」


言って、差し出された紙。

内容に目を通して、先ほどの宣言内容どおりだと言うことを確認して。


モジャ毛がサインするのを確認して、ついで此方もサインを書き込む。


「では、始めようか」


言って、モジャ毛はその手を高く掲げた。







「んじゃ、クリスは見ててくれるといいよ」

「そんなっ!? 私もお供しますっ!!」


言ってクリスを背後へと押しやるが、しかしクリスは自分も前へ出ようとしてくる。


「大丈夫だから、ね?」

「何が大丈夫なものですかっ!! 仮令表面上は治っていようと、貴方は大斧のヴェントと戦って命からがら生き延びて、しかもその後病み上がりでキメラなんて怪物と戦ったんですよ!? 無事な筈が無いじゃないですかっ!!」


…確りバレてらっしゃる。


「今回は私の実力をケントさんにお見せしようと思って、あえて挑発したんです」

「……あぁ、なるほど」

「ですから、見ているのはケントさん。貴方のほうです」


そう言って、クリスは俺を背後に押しやった。

フンッ、と鼻息を荒げている様子も可愛らしい。…じゃなくて、言う事を聞いてくれそうには無い。

あらあら、頑固な。



「ふん、主の前に侍女が相手か。…ま、ウォーミングアップの相手には丁度いい」


言って、ニヤリと笑うモジャ毛。


「私は、侍女ではありませんよ」

「?」

「私は、クリスさんの友達です」


そう言ってくれたのは物凄く嬉しかったり。


クリスの抱えた杖に、莫大な魔力が宿る。

内側から汲み出された魔力(オド)。其れを核として引き寄せられる魔力(マナ)


「不詳ながら、このクリス、謹んでお相手させていただきます」


少女はそう言って、その光を持った杖を振り放った。


( ゜∀゜)b

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