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CROSS ROAD  作者: 青葉 夜
14/42

ええーー…

「死ねええええええッ!!!!!!」


ツルピカ禿頭のごつい盗賊が、そんな声を上げて手斧を投げ飛ばした。


「……っ!?」


石をセレクト―4つ。

選び取ったその四つを一気に、しかし順々に狙って投げつける。


コンッ、ギ、ゴ、ガチッ!!


鉄の塊で在る斧に対して、小石程度ではどうしても重さに欠ける。

ので、数でせめてみたのだけれど…うん、上手くいったみたいだ。


「な、っ!?」

「何者だっ!!」


盗賊連中が慌てて馬の歩みをその場で止めて……ニヤリ。

更に袋の中から石ころを選んで、それを先頭の盗賊の乗った馬の、その脳天へと、馬が気絶しない程度…けれど、確実に痛がるレベルに調節して投げつけた。


ゴッ

「ブルウウヒイイイイイイイインンンン!!!!????」

「の、おうわああっ!!??」


石を当てられた馬は、そんな鳴き声を上げて、後ろ足で立ち上がり。

当然そんな体勢をされては乗り手の盗賊は振り落とされて。

そのまま馬にもう一つ石を投げる。途端、わけも解らず与えられる痛みに大暴れしだす盗賊の乗馬。


此方も隠れているとは言え、そろそろ相手側も此方を発見しそうな物なのだが…。

まぁ、それよりは此方が早いか。


盗賊周囲に石を投げつけ、それを恐れた馬は勝手に少しずつ後ろへ下がって。


「お、おいっ!?」


そんな馬達に言う事を聞かせようとするが、どうやら馬の方は訓練を受けたような馬ではなく、何処にでもいる普通の乗用馬らしく、攻撃を受けても平然としていられるような度胸の在る…所謂軍馬とかではなさそうで。


結果として盗賊一団は、その意志と関係無しに一点で密集してしまって。


「それじゃ、最後の一押し」


投擲。

散々脅かされて、パニックに陥っていた先頭の馬。

最後に、かなり力を込めて投げつけた岩が地面を陥没させて。


「ブルウウヒイイイイイイィィィィンンンンッッッ!!???」


馬、絶叫。

悲鳴を上げて後方へと駆け出す馬。


「え、おわっ!?」

「おま、おすなっ!!」

「うおおおおおおおおおっ!?!?」


密集している地域で、一匹の馬が暴れだして。

結果、その一匹の錯乱は、全体の恐慌と成って盗賊一団をパニックへと陥れていた。


「おーい、こっちこっち」


そんな光景にニヤニヤしつつ、木陰から顔を出して追われていたほうの人影へと声を掛ける。

きょろきょろと周囲を見回していたその影は、此方を見つけると大急ぎで駆け寄ってきて。


「あ、ありがとうございますっ!!」

「礼は後回しだな。とりあえず、アッチの方角に町が在るから、其処まで逃げ込むぞ」


「は、はいっ!」と返事をする其の小さな子の手を掴んで、一気に駆け出す。

大勢に正面から挑むなどと言うのは愚考でしかない。

目的が在るのなら、よりスマートに事を済ませるほうが良いに決まっている。

フヒヒ…もとい、ニヤニヤしながら一気に町まで駆け戻ったのだった。






「有難うございました。ボクは、ロイ・カークラウンド。ロイって呼んでくださって結構です」


町に到着して、先ずはじめに其の小さな子が言ったのは、そんな一言だった。

……ん? 今、何か色々失敗したような感じが……、あれ?


「……君、男の子?」

「はい。……見て解りませんか?」


金髪碧眼。可愛らしい顔立ちで、身長は150センチ中盤。

こげ茶色のローブに身を包んだその姿は、その辺の女性と比べても遜色ない。


「……うっわぁ………」


やってしまった。

イベントで、とはいえ、…なぜ『男の子』なんでしょうか。

こういう時って、普通美少女とめぐり合うもんじゃないんですか!?


嗚呼、我が神よっ!! 英語で言うとOh,My GOD!!

野郎イベントですかっ!? mjdk!?…orz


「…あの?」


頭を抱えて苦悩する俺のその隣で。

その少年…ロイは、おろおろと心配そうな目でこちらを見ているのだった。



「Machina&Magic」のほうばっかり書いていたために少し更新が遅れました。

こっちも頑張ってポツポツ更新しますんで、読んでくれてる皆さん、有難うございますっ!!


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