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CROSS ROAD  作者: 青葉 夜
10/42

ウマウマ? いいえ、馬です。

タイトルは相変わらず意味不明だなぁ…。

テラ眠ス。


最低限の睡眠時間で活動を継続できるのは本当なのだが、やっぱり眠いものは眠い。

身体的な疲労は気功で在る程度回復させることが出来る。

…が、精神的な面となると話は別だ。

それこそ仙人とかだと、こういう精神的な飢えとは無縁になるんだろうが、生憎おれは其処まで修行を積んだわけではない。所詮武人の家系だ。


「……はぁ」


そして、尻が痛い。

カッポカッポと音を立てて進むのは、在中騎士のジェームズさんがつれてきた馬だ。

今朝方到着した増援の騎士。その着任を見届けて、ダニエルさんは帰都の路へとつく事に成っていたのだとか。


馬と言うのは独特の振動が在る。

慣れるまでの我慢だ、とダニエルさんは言うのだが。


「とりあえず、次の町で休憩しようか」

「マジッスか……じゃなくて、本当ですかっ!? 是非にお願いしますっ!!」


喜ぶ。と、ダニエルさんはクスッと柔らかく微笑んだ。

なんというか、親戚の叔父さんさんを思い出す笑みだ。










そうして、あと少しでその村だ、と言うところでその連中は現れた。


「……なんですか、コレ?」

「ゴブリン、という種族だね。妖精種で、低俗ながら知恵を持っている。群れで襲ってくるから注意が必要だよ」


言って、ダニエルさんは腰の鞘から鈍色の剣を引き抜いた。


……に、しても腹が立つのはこのゴブリン連中である。

あと少しで町だというのに、何故にこのタイミングで現れるのか。もう少し遠くでなら諦めもついたというのに。


「グゲゲゲゲッゲゲゲゲゲゲゲ!!!」


……笑ってやがる。

人が尻の痛い思いをして馬に乗って、ようやく町に到着できると思っていたのに。

ソレを妨害して、思い切り笑いやがった。


「しわくっちゃのチビはげの癖に、人のことを笑うだとぁ……」


多少、被害妄想過剰だというのは自覚している。

…自覚しているが、止める心算は更々無い。

むしろこの機会に、堪った鬱憤を発散すべしと勢いに拍車をかける。


「ケントくん、この場は私に任せて、君は一足先に村へ……」

「手前らぁ、覚悟は出来てるんだろうなぁっ!!!!」


吼えて、腰に下げた袋から小石を幾つも取り出す。

それをゴブリンどもに向けて全力投石。渾身の錬気を込めた一撃は、只の自然石に鋼と同等かそれ以上の攻撃力を与えて。


グゲアアアアアッ!?!?!?! ギアアエアエエエアエエエエエ!!!!!!!???? ヒギイイイイイイ!!!??


そんな悲鳴が広原に響いた。


「はぁ、はぁ、はぁ、………」


ゴブリン達は転がるようにしてその場から走り去っていく。

その背中に向かって更に投石。


「手前っ、二度と来るなっ!! 次は逃さんぞっ!!」


返答のように帰ってくるゴブリンどもの悲鳴。

ソレを確認して、ようやく落ち着くことが出来た。


「………あの、ケントくん?」

「……あ、すいません。ついつい…」


何か、眠くてテンション上がってしまったような気がするが……。

とりあえず、少し休みたいのだ。


「……とりあえず、茶屋にでも入ろうか」


言って、こちらを先導してくれるダニエルさん。

正直、本当にありがたい。




因みにその後のダニエルさん、俺のほうをちらちらと見て警戒していた。

……、うん。自重しよう、俺。




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