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枕の下に 希望の上に(7)

ファインダーを覗いて

ファインダーを覗いて

シャッターを切る

光って

あの音がする

フィルムが右から左へ

一枚分巻かれ

最後には

五秒ほどの

巻き込む音がして

蓋が開く




あの円柱の中には

失敗も成功も入っていて

だからこそ

嬉しかったり

悲しかったり

単純に

純粋に

存在していた

僕の真ん中に

存在していた




いつの頃からか

消去が始まって

成功の中から

更なる成功を

選ぶようになった

失敗を見ないようにして

失敗を問わないようにして

同じ音がするのに

届かなくなった

もう届いても

気にしなくなった




失敗を面白いと

感じなくなった

失敗を丁寧に

扱わなくなった

あの円柱の中にあった

確かな結果は

歪な形で

画面に

張り付くようになった

それを正しいと呼ぶ

効率的だと呼ぶ

間違いは無いけれど

何かが消えたのは

確かだった




思い出せなくなる前に

もう一度

取り出した

探すのに苦労した円柱

バッテリーとは言わない円柱

セットして

わからない音を

もう一度聞こう

ファインダーを覗いて

シャッターを切る

画面を確認しようして

無い事に気づいた

だから

楽しいのだ

誰にも

わからない程に




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