其の壱 天照の神様観察
ここは高天原にある、日本の最高神天照大御神の屋敷前。
太陽神天照と、芸能の神天鈿女がなにやらやっている様子…
「撮影開始しました!」
「おっけい。私は天照大御神。この動画は私の私利私欲のために撮ってるから…見れたそなたは幸運!代わりに不幸を与える!」
「ちょっ、天照様っ!?不幸を与えるのはどうかと…」
「ふふっ、冗談よじょうだん。さて、ここ高天原での神たちの様子を隠し撮りしちゃおう!」
「ほんとに大丈夫かなこれ…」
ここは衣通姫の屋敷。衣通姫は和歌三神の一柱であり、日本の長い歴史の中でも有数の美しさを持つ女神。
庭に隣接した居間に座り、和歌を書き連ねている。
天照「ほんといつもキラキラななにかが見えるわよねぇ」
鈿女「それには同感します」
衣通姫「…こんなものね。よし、休憩休憩っと。」
衣通姫は和歌を書き終え、休憩しようと居間を出ていこうとし…
天照「…えいっ」
衣通姫「ひゃうっ!?」
ドサッと前のめりに倒れる。
鈿女「今の天照様やりました?」
天照「ご名答。ちょっと足を引っかけてやったわ」
鈿女「もうなんでもありですね…」
衣通姫「え?え?い、一体何が……?」
ここは田霧姫命の屋敷。田霧姫は、天照と素戔嗚との誓約のときに素戔嗚の剣から生まれた三女神の一。
同じく、大国主への手紙を書き連ねている。
天照「今思うと、あの誓約はなんとなく楽しかった気がする」
田霧姫「(『大国主、元気にしてますでしょうか。私のほうは特に何もなく、平穏に時を過ごしております。湍津姫と市杵嶋姫と今日も仲良く過ごしております。返事を待っています。』)…うーん…もうちょっとかけないかな…」
天照「おやおや、夫への手紙~一夫多妻家庭~」
鈿女「天照様、煽ってません?」
天照「侮辱よ」
鈿女「更に悪いです!?」
ここは素戔嗚尊の屋敷。素戔嗚は三貴神の一柱で天照の弟神。
神器生弓矢(女)となにやら話をしている様子。(※神器は普段は人型をしている(という設定))
素戔嗚「今のところ、穢はちょっと落ち着いてるよな~」
生弓矢「そうですね。私もあまり動かなくて済みます」
天照「ん~世間話。もうちょっと様子を…」
素戔嗚「…ぐー…はっ!」
退屈なのか寝不足なのか、素戔嗚は一瞬眠りはっと起きるとガタっと机を膝で蹴り机が吹っ飛び…
生弓矢「…えっ…あふんっ」
机で生弓矢も吹っ飛び後ろの障子に突っ込む。
天照「っっ!っ!くふっ…っ!」
鈿女「つぼりすぎですよ…」
素戔嗚「のわぁ!?だ、大丈夫か!?」
生弓矢「は…はいぃ…」
ここは月詠の屋敷。月詠は三貴神の一柱で天照の弟神。(※ここでは男とする)
縁側であぐらをかき、脇息に肘を置いて目を瞑っている。
天照「おや、あのゲス神が寝てらっしゃる」(※ゲス神という記述などない)
月詠「…八晃やこう」(※八晃は八尺瓊勾玉の名(という設定))
八晃「なんでしょうか…?」
月詠「飲み物とか持ってこないのか?」
八晃「あっ…い、今お持ちします!」
月詠「いや…」
月詠が八晃に壁ドンならぬ柱ドン。からのあごくい。
天照「でたゲス神」(※ゲス神という(ry
月詠「いつも言ってるよなぁ?こういうときは気を利かせて飲み物を持って来いと…」
八晃「え、えっと……」
月詠「お前はいつもそうだな…」
口を近づける。
天照「でた~っ世の女性神器を落とす威力の鞭と飴!」
鈿女「月詠様よくこんなことしてらっしゃるんだ…」