2話
ソリン王国は男性の民は16歳になると、兵士になるように義務がある。
貴族とかになると金さえ支払えば免除となるが、平民や孤児は16歳になると、王都から使いがやってきて、兵士となるべく連れていかれてしまう。
ソリン王国は現在、ケルト王国と戦争している最中であり、ソリン王国やケルト王国の各地で戦争が起きていて、その戦いは泥沼のような状態である。
ソウも幼いころソリン王国ではない、国の山奥にある村で住んではいたが戦争に巻き込まれ
両親が死に孤児となったソウをソリン王国の人間が引き取った。
そして16歳となったソウはこれからソリン王国の兵士として敵国と戦い続けなければならなかった。
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「これに乗れ。」
慣れしたしんだ山道をでると王都へと続く道に馬車が止めてあることに気付いた。
兵士に言われ、ソウは道に止めてある馬車に行き、後ろに乗り込むと中にはソウと同い年ぐらいの青年が6人いた。他の子供達は身なりもソウみたいな少し古い服装ではなく、清潔感ある服装を着ている。
ソウは後ろの隅に座りこむと、馬車が進み始めた。これから王都へと行くのだろう。
だんだんと遠ざかり見えなくなってしまった村。もう二度とこの慣れ親しんだ風景を見ることはないだろう。
「なぁ、お前も志願してきたのか?」
ずっと外の景気を見ていたら、横から声をかけられた。ふと、声をかかられた方へと顔を向けると、馬車の中にいた茶髪の少年だった。
そのまま、少年はソウの隣に座りまたも声をかける。
「俺は志願してきたんだ。俺んち貧乏で親父は戦場で死んだから、妹や弟達を養わないといけないからな。」
養うために、兵士志願をする者は珍しくはない。兵士になれば国からお金がもらえるのだが、その金額はけして高くはない。だが、毎日が生きていることがやっとな暮らしをしている者たちにとって、いい働き口となる。しかし、戦場で戦えば戦うほど多くもらえるのでいいのだが、反対に戦場で死んだ場合はその時点でもらえないのだ。
「で、お前はどうなんだ。」
「僕は孤児院からきた。」
「そうなのか…。まぁ、これから一緒に戦っていくんだ、頑張ろうぜ。」
「………。」
少年の言葉にソウはうなずく。でも、心はそう思えなかった。